高知のホテルで発生した悲劇。DV相談の裏で起きた21歳夫による妻殺害事件の真相と課題

2019年11月20日、高知県高知市の宿泊施設において、あまりにも痛ましい事件が発生しました。名古屋市緑区に住む自称派遣社員、土居巧容疑者が、自身の妻である彩乃さんを殺害した疑いで逮捕されたのです。警察の調べに対し、容疑者は「殺したのは間違いない」と供述しており、犯行を認める姿勢を見せています。若き夫婦の間に一体何があったのか、社会全体が大きな衝撃に包まれています。

事件の背景には、深刻なDV(ドメスティック・バイオレンス)の問題が隠されていました。DVとは、配偶者や恋人など親密な関係にある相手から振るわれる暴力のことで、身体的な攻撃だけでなく精神的な圧迫も含まれます。お二人は2019年5月上旬から名古屋市内で同居を開始していましたが、彩乃さんは夫からの暴力に耐えかね、同年8月下旬には高知市内の実家へ身を寄せて、別居状態となっていました。

SNS上では、この悲報に対して「警察に相談していたのになぜ防げなかったのか」「逃げても追いかけてくる恐怖は計り知れない」といった、憤りや悲しみの声が相次いでいます。彩乃さんは2019年8月30日に、高知南署へ「夫が怖い」と切実な思いを打ち明け、万が一の際の対応を依頼していました。被害者が勇気を持って救いを求めていたという事実が、この結末をより一層、重く苦しいものにしています。

愛知県警側も、2019年8月29日に土居容疑者から出された捜索願に対し、彩乃さんの意思を尊重して居場所を伏せるなどの措置を講じていたようです。高知南署の山本正幸副署長は、巡回を強化するなど可能な限りの対応は行っていたと述べつつ、今回の結果については「残念である」とコメントしました。しかし、命を落とす前に未然に防ぐ手立ては本当になかったのか、行政や警察の連携の在り方が厳しく問われています。

私個人の意見としては、相談を受けた段階で、相手がどこにいるかを察知されないような「物理的な隔離」と「法的な強制力」をより迅速に発動させる仕組みが必要だと感じます。加害者の執着心が強い場合、単なる巡回だけでは被害者の安全を担保するには限界があるからです。二度とこのような悲劇を繰り返さないためにも、相談者の不安を「最悪の事態」を想定して受け止める社会の眼差しが、今こそ求められているのではないでしょうか。

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