2019年11月22日、日韓関係に激震が走りました。韓国政府が日韓軍事情報包括保護協定、通称「GSOMIA(ジーソミア)」の失効を停止すると発表し、同時に世界貿易機関(WTO)への提訴手続きを中断することを決めたのです。これを機に両国の政策対話が再開される運びとなりましたが、事態は決して楽観視できるものではありません。水面下では、双方の主張が平行線を辿ったまま激しい火花を散らしています。
日本の経済産業省は同日の会見で、半導体材料3品目の輸出審査方針に変更はないと釘を刺しました。一方で、韓国がWTO提訴を中断したことを「輸出管理の問題改善に向けた意欲の表れ」とポジティブに解釈しています。しかし、この説明に韓国側は即座に噛みつきました。2019年11月24日、韓国大統領府の鄭義溶国家安保室長は「日本側の発表は事前の調整内容と全く異なる」と反論し、両国の温度差が改めて浮き彫りになったのです。
ここで注目すべきは、両国の「輸出管理」に対する認識のズレです。日本は以前から、韓国側の管理体制に不備や不適切な事案があったとして、審査の厳格化を断行してきました。対する韓国は、これを元徴用工問題を背景とした政治的な報復措置であると強く非難しています。日本側は「外交問題とは無関係である」とのスタンスを崩しておらず、互いに一歩も譲らない膠着状態が続いています。
首脳会談への期待と「グループA」復帰への険しい道のり
SNS上では「ひとまず協定維持で安心した」という声がある一方で、「根本的な解決には程遠いのではないか」といった冷ややかな意見も目立ちます。2019年12月下旬には首脳会談の実施に向けた調整が始まっていますが、残された時間はわずか1か月程度です。日本側が輸出優遇対象国である「グループA(旧ホワイト国)」に韓国を再指定するには、法整備や人員増強など、極めて高いハードルが設定されています。
私個人の見解としては、今回の対話再開はあくまで「対立の凍結」に過ぎないと感じています。特に「健全な輸出実績の積み上げ」という曖昧な条件は、日本側の裁量ひとつでどうにでも転ぶため、韓国側の不信感を拭うのは容易ではないでしょう。国家間の信頼関係が損なわれた今、小手先の妥協ではなく、根深い歴史問題を含めた真摯な対話こそが、この霧を晴らす唯一の手段ではないでしょうか。
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