世界的な低金利が続く中、投資家の皆様は「安定した収益をどこで確保すべきか」という難題に直面されていることでしょう。こうした運用難の時代に風穴を開けるべく、UBSアセット・マネジメントグループが、これまでは限られたプロのみが実践してきた特別な投資手法を個人投資家向けに解禁します。その名も「合併買収裁定戦略(マージャー・アービトラージ)」です。
この戦略は、企業同士の合併や買収(M&A)が発表された際、その完了までに生じる「買収価格と現在の市場価格との差」に注目して利益を積み上げる手法です。2019年12月6日に設定されるこの投資信託は、株式相場全体の乱高下に影響されにくいという非常にユニークな特性を持っており、保守的なポートフォリオに刺激を加えたい富裕層を中心に熱い視線が注がれています。
今回、日本国内に導入されるのは、UBS傘下でこの戦略を長年得意としてきた「オコーナー」が運用する外国籍ファンドです。具体的には、発表された買収価格や合併比率を精査し、割安と判断される銘柄を買い、一方で割高な方を売るという緻密な取引を仕掛けます。まさに、企業の変革期に発生する歪みを利益に変える、運用の職人技とも言えるでしょう。
成功の鍵は「成立の確度」を見抜くプロの分析力
「もしM&Aが破談になったら?」という不安を抱く方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本ファンドの強みは、各案件の成立可能性を徹底的に評価する分析力にあります。例えば、独占禁止法に抵触して当局から待ったがかからないか、あるいは株主の反対はないかといったリスクを一件ごとに精査し、その確度に応じて持ち高を冷静に調整するのです。
販売を担当するSMBC日興証券によれば、国内外の債券では十分な利回りが得にくい現在の市場環境において、市場動向に左右されず安定したリターンを目指せるこの戦略は極めて有効です。他のヘッジファンド戦略との連動性が低いため、分散投資の効果も大いに期待できるでしょう。投資額は1,000万円からと高めに設定されていますが、それに見合う価値は十分にあります。
私個人としては、今回の試みは日本の投資環境に一石を投じるものだと考えています。これまで機関投資家の独壇場だった「情報の格差」を利用した戦略を、富裕層とはいえ個人の手に届く場所へ持ってきたことは、運用手段の民主化への大きな一歩です。単なる「株の値上がり待ち」に飽きた投資家にとって、知的な興奮を伴う新たな選択肢になることは間違いありません。
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