2019年11月12日、四国4県に拠点を置く地方銀行8行の2019年4月から9月期における決算報告がすべて出そろいました。発表された数字を紐解くと、地方金融機関が置かれている厳しい現状が浮き彫りになっています。本業による収益力を示す「コア業務純益」は、なんと8行中7行で減少するという衝撃的な結果となりました。
この利益減少の背景にあるのは、日本銀行が継続しているマイナス金利政策です。銀行が企業などに資金を貸し出す際の利息である「貸出金利回り」が低下し続けており、本来の稼ぎ頭である資金利益が5行で前年を下回りました。SNS上でも「地銀のビジネスモデルは限界に近いのでは」といった不安や、将来を懸念する声が数多く上がっています。
個別に見ると、愛媛県の伊予銀行はコア業務純益が前年同期比で9%減少し、香川県の百十四銀行も12%の減益を記録しました。さらに高知県の四国銀行にいたっては45%減と大幅な落ち込みを見せています。また、徳島銀行や香川銀行を傘下に持つトモニホールディングスも10%の低下となり、四国全域で苦戦を強いられている状況が鮮明になりました。
デジタルの力と都市部への攻勢で活路を見出す
こうした逆風の中、各行は「稼ぐ力」を再び取り戻すために新たな戦略を打ち出しています。伊予銀行の大塚岩男頭取は、デジタル化を徹底することで業務を効率化し、浮いたリソースを顧客へのコンサルティングや金融仲介といった付加価値の高いサービスへ振り向ける方針を明示しました。対面とデジタルの融合こそが、今後の生き残りへの鍵となるでしょう。
具体的には、タブレット端末を活用して口座開設などの手続きを簡略化する「店舗受付エージェントアプリ」の導入を加速させています。これは事務作業の負担を減らすだけでなく、顧客の待ち時間短縮にもつながる画期的な試みです。大塚頭取は、2021年度から始まる次期中期経営計画において、これらの施策が収益に大きく貢献するとの見通しを語っています。
一方、徳島県の阿波銀行はエリアの拡大に勝機を見出しているようです。地元である徳島県内での融資を伸ばすのはもちろんのこと、東京や大阪といった大都市圏の中小企業開拓を強力に推進しています。2019年9月中間期の貸出金残高は、関東や関西地区でもそれぞれ100億円を超える増加を見せており、攻めの姿勢が結果として表れ始めています。
編集者としての視点では、単なるコスト削減に留まらず、地域の課題を解決する「パートナー」へと銀行が進化できるかが分かれ道だと考えます。人口減少が続く四国において、伝統的な金利ビジネスだけに頼る時代は終わりました。IT技術を駆使した利便性の向上と、広域展開による収益源の多角化。今まさに、四国の地銀は歴史的な転換期に立たされているのです。
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