神奈川県相模原市が、街の未来を左右する大きな決断を下しました。2019年11月12日、市は「行財政構造改革プラン(仮称)」を策定する方針を固めたと発表したのです。この改革の背景には、将来の家計簿とも言える「長期財政収支」を試算した際、あまりに衝撃的な数字が浮かび上がったという切実な事情がありました。
市が算出したデータによれば、2027年度には「一般財源」ベースで約134億円もの支出が収入を上回る歳出超過に陥る見通しです。一般財源とは、市が自由に使い道を決められる大切なお金のことですが、これが底を突けば、私たちが普段受けている行政サービスを今のまま維持することは極めて難しくなるでしょう。
驚くべきことに、この試算は新しい事業を一切行わない前提で計算されています。それにもかかわらず毎年赤字が見込まれ、借金にあたる「市債」の発行額も右肩上がりで増えていく予測となりました。この危機的な状況を受け、ネット上では「自分たちの街はどうなるの?」といった不安や「無駄を削ってほしい」という厳しい声が相次いでいます。
なぜ赤字が膨らむのか?避けて通れない課題と予算凍結
財政を圧迫している主な要因は、少子高齢化に伴う子育て支援や福祉関連の「扶助費」の増大です。また、高度経済成長期に建てられた公共施設の老朽化が進み、その維持や改修に莫大なコストがかかっていることも大きな重荷となっています。市税収入が伸び悩む中で、出ていくお金ばかりが増える「構造的な課題」が浮き彫りになりました。
こうした事態を受け、2020年度の予算編成は極めて異例の「原則、新規事業凍結」という厳しい方針が示されました。本村賢太郎市長をトップとする改革本部が立ち上がり、どの事業を廃止し、どれを見直すかという過酷な選別作業が始まります。2020年3月にはプランの素案をまとめ、同年6月には正式な改革案を決定するスケジュールです。
今回の改革においてキーワードとなるのが「選択と集中」でしょう。私は、この改革は単なる削減ではなく、次の世代に負の遺産を残さないための「未来への投資」であるべきだと考えます。すべての要望に応えることは不可能ですが、何を優先し何を諦めるのか。市民一人ひとりが自分事として、この痛みを伴う改革に注目し、声を上げていくことが今こそ求められています。
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