四国地方を拠点とする地方銀行が、かつてないほどの収益性低下という荒波に揉まれています。2019年11月22日に発表された最新の決算分析によれば、四国の地銀8行のうち、なんと6行で収益力の指標が悪化している実態が浮き彫りとなりました。SNS上では「地元の銀行が苦しんでいるのは不安」「マイナス金利の影響がここまで深刻だとは思わなかった」といった切実な声が広がっています。
今回の分析では、各行の効率性を測る指標として「ROA(総資産利益率)」に注目しました。これは、銀行が預かった資産をどれだけ効率よく利益に結びつけたかを示す、いわば「経営の健康診断書」のような数値です。特に今回は、一時的な株の売却益などに惑わされないよう、本業の儲けを示す「コア業務純益」から、貸し倒れに備える「与信費用」を差し引いて算出しており、銀行の実力がシビアに反映されています。
名門・百十四銀行の苦悩とトモニHDの躍進
今回の決算で特に衝撃を与えたのは、香川県に本拠を置く百十四銀行の数字でしょう。2019年4月1日から2019年9月30日までの期間において、同行の利益水準は1億円を割り込むという極めて異例の事態に陥りました。綾田裕次郎頭取も「厳しい決算」と認めざるを得ない状況です。その要因は、企業の倒産リスクなどに備える「与信費用」が、前年同期比で約8割も増加し、47億円にまで膨らんでしまったことにあります。
一方で、効率経営で存在感を示したのが、トモニホールディングス傘下の徳島銀行と香川銀行です。両行はROAでトップ2を独占しており、総資産に対して本業で稼ぐ力が非常に高いことが証明されました。長引く低金利環境下でも、いかに収益の源泉を確保するかが勝敗を分けています。しかし、店舗の統廃合などによるコスト削減だけでは、膨らむリスク管理費用を補いきれないという、地銀が抱える構造的な課題も浮き彫りになりました。
生き残りをかけた「脱・金利」への挑戦
厳しい環境を打破しようと、各行は独自の生存戦略を打ち出し始めています。高知銀行は、手数料収入を増やす「役務取引等利益」の拡大や徹底した経費カットにより、2019年9月中間期において27%もの利益成長を実現しました。また、阿波銀行は大都市圏の中小企業融資に活路を見出しており、コンサルティング業務による非金利収入の拡大に注力する方針です。これは、単にお金を貸すだけでなく、知恵を貸すビジネスへの転換を意味します。
さらに愛媛銀行の西川義教頭取は、銀行単独のモデルに限界を感じ、大和証券と連携した農業ファンドの設立といった外部連携を加速させています。編集者の視点から言えば、もはや地元の金利差だけで食べていける時代は完全に終焉を迎えたのでしょう。地域経済のインフラである地銀が、どのようにして新たな付加価値を創造し、再び輝きを取り戻すのか。2019年後半以降の、四国地銀による「第2の創業」とも言える変革から目が離せません。
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