静岡県内の金融界において、大きな転換点が訪れています。2019年11月8日、スルガ銀行を除く地銀3行が2019年4月から2019年9月期の中間連結決算を公表しました。結果は、静岡銀行、清水銀行、静岡中央銀行のすべてで純利益が前年を下回るという厳しい内容になっています。
SNSでは「預けている側も利息がつかないけれど、貸す側の銀行もこれほど苦労しているのか」といった驚きの声や、合理化への理解を促すコメントが散見されます。超低金利時代という逆風の中、各行は収益構造の抜本的な見直しを迫られているのです。
メガバンクに負けない地銀の知恵とコストカットの現実
特に注目すべきは、清水銀行と静岡中央銀行が見せた「実質業務純益」の増加でしょう。これは、銀行が預金と貸出の利息差などで稼ぎ出した、本業そのものの実力を示す指標です。長引くマイナス金利政策によって、貸したお金から得られる利益である「利ざや」は縮小の一途をたどっています。
この苦境を打破するため、静岡中央銀行は「昼休み導入」や「スタッフのパート化」といった大胆な経費削減を断行しました。店舗を一時閉鎖して運営コストを下げる手法は、地域住民にとっても大きな変化であり、効率化への強い意志が感じられる決断だと言えるはずです。
しかし、それでも最終的な利益が減ってしまった背景には、過去の株式売却益のような一時的なプラス要因が少なかったことが挙げられます。私の見解では、今後は単なるコスト削減だけでなく、いかに地域企業へ独自の付加価値を提供し、新たな収益源を確保できるかが地銀の生存競争を左右すると考えています。
先行きの不透明感と向き合う静岡のリーダーたち
県内最大の規模を誇る静岡銀行の動向も見逃せません。貸出金残高は着実に伸びていますが、県外の大口顧客の経営状況悪化に伴う「与信費用」の増大が利益を圧迫しました。与信費用とは、貸したお金が返ってこなくなるリスクに備えてあらかじめ計上しておく、いわば保険のようなコストのことです。
柴田久頭取は、現在の景気について「かげりが見え始めている」と慎重な姿勢を崩していません。企業の資金繰りは現時点では安定しているものの、世界情勢の影響を受けやすい地方経済の未来を注視する必要があります。地銀が地域経済の防波堤として機能し続けられるのか、その真価が問われるのはまさにこれからでしょう。
清水銀行では外国債の売却益によって本業の数字を押し上げる工夫も見られ、各行が持ち味を活かした戦略を練っています。2020年3月期の通期予想は据え置かれましたが、11月14日に発表を控えるスルガ銀行の動向を含め、静岡の金融地図がどのように書き換えられていくのか目が離せません。
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