日本のエネルギー業界に激震が走るビッグニュースが飛び込んできました。三菱商事と中部電力は2019年11月25日、オランダの有力電力会社「エネコ」の買収に向けた優先交渉権を獲得したと公式に発表しました。その買収総額は、なんと約5000億円という巨額にのぼります。日本企業が海外の電力事業において、発電から一般家庭向けの小売りまでを一気通貫で手がけるのは、今回が初めての画期的な挑戦となります。
世界屈指の石油メジャーである英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルといった競合を退けての勝利に、SNS上では「日本連合がシェルに勝つとは胸が熱い」「5000億円の巨額投資に本気度を感じる」といった驚きと期待の声が溢れています。この買収は、三菱商事が80%、中部電力が20%を出資して設立する共同会社を通じて行われます。2020年6月1日までの完了を目指し、オランダの44自治体が保有する全株式を買い取る計画です。
欧州の先進的な知見を日本へ!エネコ買収の狙いとは
エネコはオランダやベルギー、ドイツで約600万件もの契約を抱える、欧州屈指のクリーンエネルギー企業です。特に2007年から参入している再生可能エネルギー分野では、陸上風力を中心に120万キロワットという圧倒的な発電容量を誇ります。さらに「仮想発電所(VPP)」と呼ばれる、点在する太陽光パネルや蓄電池をIT技術で統合し、あたかも一つの発電所のように制御する次世代技術にも強みを持っています。
VPPは、天候によって発電量が左右される再エネの弱点を補う、未来の電力網には欠かせない仕組みです。今回の買収により、三菱商事の再エネ発電容量は約2.5倍の300万キロワットへと急増する見込みです。私個人としては、この投資は単なる規模の拡大ではなく、「デジタル×エネルギー」という最先端の戦い方を日本企業が手に入れるための、非常に戦略的で賢明な先行投資であると考えています。
中部電力にとっても、この決断は死活問題でした。国内では省エネの普及や人口減少により、電力需要が右肩下がりになることは避けられません。同社は2020年代後半までに利益の半分を海外や新事業で稼ぐという目標を掲げており、今回の買収はその「背水の陣」とも言える覚悟の表れでしょう。厳しい国内環境を飛び出し、世界の電力自由化のトップランナーからノウハウを吸収しようとする姿勢は高く評価されるべきです。
激化する世界の再エネ競争を勝ち抜けるか
しかし、バラ色の未来ばかりではありません。現在の欧州では再エネの固定価格買い取り制度が見直され、コスト競争は一段と激しさを増しています。フランス電力やドイツのシーメンス関連会社が事業統合や買収に動くなど、世界的な再編の波が押し寄せています。三菱商事と中部電力には、エネコの知見を欧州内に留めず、日本やアジア市場へいかにスピーディーに展開できるかという、真の経営手腕が問われることになるでしょう。
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