中部電力が、三菱商事とタッグを組んでオランダの有力電力会社「エネコ」の買収に乗り出すことが、2019年11月26日に明らかとなりました。買収総額はなんと約5000億円にものぼり、中部電力の出資分だけでも過去最大規模の1000億円という、まさに社運を賭けたビッグプロジェクトです。ネット上では「日本の電力がついに世界へ本格進出か」「洋上風力のノウハウ獲得に期待したい」といった、前向きな驚きと関心の声が広がっています。
今回の買収は、中部電力の勝野哲社長が会見で語った通り、再生可能エネルギーの先進地である欧州のノウハウを吸収することが大きな目的です。日本国内では、かつてのように「地域独占」によって安定した経営が守られる「護送船団方式」の時代は終わりを告げました。電力小売の自由化が進む中で、同社は従来の枠組みに囚われない、極めて積極的な攻めの姿勢を見せています。
再生可能エネルギー倍増計画と洋上風力発電への期待
日本政府は2030年までに、全発電量に占める再生可能エネルギーの割合を22%から24%まで引き上げる目標を掲げています。この大きな流れに対し、中部電力は原子力発電所1.5基分に相当する200万キロワット以上の発電容量を上積みする方針を固めました。国内では太陽光や水力の適地が減少しており、次なる切り札として期待されているのが、海上に巨大な風車を設置する「洋上風力発電」です。
エネコ社はこの洋上風力発電の分野で豊富な実績を持っており、その運用・保守の技術を日本国内の事業に転用できるメリットは計り知れません。私個人の見解としても、エネルギー自給率の向上と脱炭素化が急務である現代において、海外の高度な環境技術を直接取り込む今回の投資は、日本の電力業界全体を底上げする賢明な一手であると感じます。
国内依存からの脱却!海外利益3割を目指す「脱・安定」の覚悟
中部電力がこれほどまでの巨額投資に踏み切る背景には、国内の電力需要の冷え込みという厳しい現実があります。少子高齢化や省エネ技術の普及により、従来の国内ビジネスだけでは将来的な成長が望めません。同社は2020年代後半までに、経常利益の3割にあたる約800億円を海外事業で稼ぎ出すという野心的なビジョンを掲げています。
市場の反応は冷静で、2019年11月26日の株価は前日比0.3%安という微減に留まりましたが、専門家の間では「将来性を踏まえれば決して割高な買い物ではない」との分析も出ています。今回のM&A(企業の合併・買収)は、単なる規模の拡大ではなく、生き残りをかけた事業構造の転換を意味しているのです。
東京電力との共同出資会社「JERA」の設立など、これまでも業界の再編をリードしてきた中部電力。国内の依存を断ち切り、世界を舞台に競争するエネルギー企業へと変貌を遂げようとする彼らの挑戦は、まさに日本のインフラ産業が新しいステージへ進むための試金石となるでしょう。今後の進展から目が離せません。
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