北海道室蘭市の象徴ともいえる日本製鉄室蘭製鉄所で、製造業の常識を塗り替える新たな挑戦が始まろうとしています。システム開発の大手である日鉄ソリューションズ(NSSOL)は、2019年11月26日、同製鉄所へ次世代の通信インフラを導入すると発表しました。
今回導入されるのは、特定の敷地内だけで専用のネットワークを構築できる「ローカル5G」という技術です。これは携帯電話会社が全国展開する一般的な5Gとは異なり、企業が自社の建物や土地に独自の基地局を設置して運用する、いわば「究極の自社専用Wi-Fi」のような仕組みを指します。
この新技術の最大の武器は、4G時代とは比較にならないほどの「超高速・大容量」と「低遅延」にあります。2020年01月以降の稼働を目指すこのプロジェクトでは、広大な工場内を流れる膨大なデータを、瞬時に、そして極めて安定した状態でやり取りすることが可能になるでしょう。
SNS上では「ついに製鉄所も5Gの時代か」「日本の製造業がこれでまた強くなる」といった期待の声が目立ちます。特に、広大な敷地を持つ重工業界において、電波の届きにくい場所を解消し、リアルタイムで現場を可視化できるメリットは計り知れないとの意見が多く寄せられています。
遠隔操作が変える製造現場の安全性と効率性
ローカル5Gの導入によって、工場のあり方は劇的に変化するはずです。例えば、高精細な4K映像を遅延なく伝送することで、危険な作業エリアにある重機を離れた場所から操縦する「遠隔操作」が現実味を帯びてきます。これは、現場の安全性向上に直結する画期的な進歩といえます。
編集者としての私見ですが、この動きは単なる通信環境の改善に留まりません。少子高齢化による人手不足が深刻化する中で、熟練工の技術を映像データとして蓄積し、AIで解析する「スマート工場化」への大きな一歩です。日本のものづくりが再び世界をリードするための鍵になるでしょう。
これまで物理的なケーブル配線に縛られていた設備の配置も、無線化が進むことで柔軟に変更できるようになります。日鉄ソリューションズが2019年11月26日に示したこのビジョンは、室蘭の地から日本の産業界全体へ、デジタル変革の大きなうねりを起こしていくに違いありません。
コメント