香港の民主化を求める声が世界中に響き渡る中、アジアの軍事情勢が大きな転換点を迎えています。2019年11月28日、中国国防省の任国強報道官は記者会見の場において、香港の治安維持に対する極めて強い姿勢を打ち出しました。任氏は、香港に駐留する人民解放軍が、いかなる時も中国共産党中央および中央軍事委員会の命に従う準備ができていると明言したのです。
この発言の背景には、先日行われた香港区議会選挙で民主派が圧倒的な勝利を収めたことへの、中国政府による強い警戒心があると考えられます。中央軍事委員会とは、中国における軍の最高意思決定機関を指しており、ここが動くということは国家としての総力戦を意味します。今回、あえて「党の指揮に従う」と強調した点は、デモ隊や民主派勢力に対する事実上の威嚇と言えるでしょう。
SNS上ではこの報道に対し、「ついに軍が動くのか」「自由を守る人々を武力で抑え込むのは許されない」といった悲痛な叫びや、先行きの見えない不安が数多く投稿されています。また、国際社会からも中国の強硬姿勢を危惧する視線が注がれており、事態は一触即発の様相を呈してきました。中国側としては、国家の主権や安全、そして発展に向けた利益を何よりも優先し、一歩も引かない構えを崩していません。
米国「香港人権法」の成立が火に油を注ぐ展開に
さらに状況を複雑にしているのが、太平洋を挟んだ米国による電撃的な動きです。2019年11月27日にトランプ米大統領が「香港人権・民主主義法」に署名し、同法が正式に成立しました。この法律は、香港の自治が維持されているかを米国が毎年検証し、人権侵害に関与した人物に制裁を科すという画期的な内容です。これにより、香港の自由を求める動きは強力な後ろ盾を得たことになります。
しかし、中国側はこの法律を「内政干渉である」として激しく反発しており、今回の国防省による発言も、法成立を受けて勢いづく抗議活動を未然に封じ込める狙いがあるのでしょう。軍の存在をちらつかせることで、再びデモが激化することを防ごうとする中国のなりふり構わぬ姿勢が浮き彫りになっています。自由を渇望する市民の意志と、秩序を重んじる国家権力が真っ向から衝突している形です。
編集者としての私見ですが、武力による解決は決して真の平和をもたらしません。歴史を振り返れば、対話のない抑圧はさらなる憎しみの連鎖を生むだけだと分かります。米国が法的に介入し、中国が軍事力で応じるという構図は、香港の人々の安全を置き去りにした大国同士のパワーゲームに陥る危険性を孕んでいます。今はただ、これ以上の流血の惨事が起きないことを願うばかりです。
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