【デンソーの未来】半導体・センサー事業を強化!2019年7月1日付の組織・人事が示す「CASE」時代の戦略転換

自動車部品の世界的なリーディングカンパニーである株式会社デンソーは、2019年7月1日付で重要な組織改革と役員人事を発表いたしました。これは、自動車産業が「CASE(ケース)」と呼ばれる大変革期を迎えている中で、同社が次世代のコア技術と位置づけるセンサーや半導体の分野を、より一層強化していくという強い意志を示すものです。特に、新設される「センサ&セミコンダクタ事業グループ」は、今後のデンソーの成長戦略を占う上で、極めて重要な役割を担うことになります。

今回の組織改革の目玉は、まさにこの「センサ&セミコンダクタ事業グループ」(以下、SSG)の新設です。このSSGは、自動車の自動運転や電動化の鍵となる「センサー事業部」と「セミコンダクタ事業部」の二部門で構成されます。セミコンダクタとは、私たちが普段「半導体」と呼ぶ電子部品のことで、クルマの頭脳や神経に当たる部分です。この重要部品を独立した事業グループとして確立することで、技術開発のスピードアップや、市場の変化への迅速な対応を目指すのでしょう。また、これまでの「電子システム事業グループ」が担っていた機能の一部を引き継ぐ形で、伊奈博之経営役員がこのSSGの担当に就任し、山崎康彦経営役員が製造担当を務めることになり、この分野への経営資源の集中が鮮明になっています。

また、同時に「モビリティエレクトロニクス事業グループ」も新設され、武内裕嗣経営役員が担当に就任しています。この動きは、SSGが手掛けるセンサーや半導体といった個別のデバイス(部品)を、車両全体を制御するシステムとしていかに組み上げていくか、という点に重きを置いたものと推察されます。自動車の「走る・曲がる・止まる」といった基本的な機能から、自動運転に必要な高度な運転支援機能まで、電子化されたシステムの重要性は高まる一方です。このモビリティエレクトロニクス事業グループは、SSGが生み出す革新的な技術を、実際のクルマへと統合し、その価値を最大化する役割を担っていくことになるでしょう。

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CASE時代の競争を勝ち抜くための経営判断

この一連の組織再編の背景には、自動車業界で叫ばれるCASEの波があります。Connected(つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared & Service(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字を取ったこの言葉は、従来の自動車の概念を根本から変えようとしています。特に、自動運転や電動化を実現するためには、より高性能で信頼性の高いセンサーと、それらを制御するECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)などに搭載される半導体が不可欠です。デンソーは、こうしたゲームチェンジの時代において、単なる部品メーカーにとどまらず、次世代のモビリティ社会の基盤を創る存在へと進化しようとしていると、私は考えます。

今回の発表は、社外からも**「デンソーの本気度が伝わる」「未来への大胆な一歩だ」といったポジティブな反響を呼んでいます。特に、海外メディアやSNSでは、「トヨタグループの技術戦略をリードする動き」として注目され、「日本が得意とする基盤技術で、欧米や中国勢との競争に挑む姿勢を評価したい」という声が多く聞かれました。半導体は、技術革新のサイクルが非常に速い分野です。この組織改編は、そのスピードに対応し、車載向けという高度な信頼性**が求められる市場で、世界トップクラスの優位性を築き上げるための、不可欠な経営判断であったと言えるでしょう。

私自身の意見としても、これは非常に賢明な戦略だと感じています。現代のクルマは「走るコンピューター」と言っても過言ではありません。自動運転が実現すれば、車両価格のうち、半導体やソフトウェアが占める割合はさらに高まることが予想されます。2019年というこの時期に、デンソーがコア技術であるセンサーと半導体を経営の最重要課題と位置づけ、組織をシンプルかつ強力にしたことは、来るべきモビリティ革命を牽引し、グローバルな競争優位性を確保するための、先見性ある一手となるでしょう。この新しい組織体制が、どのように市場を動かし、革新的な製品を生み出していくのか、今後の展開に大いに期待したいところです。

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