富山県富山市に拠点を置き、葬儀用車両の製造で高い技術力を誇る株式会社カワキタが、大きな一歩を踏み出しました。同社は2019年11月18日、中国の大手葬儀会社に対して霊きゅう車製造の技術提供を行うことで合意したと発表したのです。このニュースに対し、SNSでは「日本の精巧なものづくりが、ついに葬儀分野でも海を渡るのか」「富山の企業が巨大市場に挑む姿は頼もしい」といった期待の声が数多く寄せられています。
今回の提携では、中国の葬儀会社の子会社がセダンタイプの霊きゅう車生産を担当し、カワキタは技術指導やノウハウを伝えるコンサルティングを担います。その対価として、5400万円のコンサルティング手数料に加え、生産台数に応じたロイヤリティを得る仕組みです。日本独自の細やかな車両改造技術は、まさに職人芸とも言えるものであり、その知的財産が正当に評価された形といえるでしょう。
近年の中国では急速な経済発展に伴い、富裕層が劇的に増加しています。それに伴い、最期を飾る葬儀へのこだわりも強まっており、高級感あふれる車両への需要が爆発的に高まっているのです。これまで主流だったワンボックスタイプから、より格式高い「セダンタイプ」への移行が進んでおり、日本の高いカスタマイズ技術が求められる絶好のタイミングでの進出となりました。
事業のスピード感も目を見張るものがあります。2019年11月時点ですでに5名の中国人技術者が富山市の工場を訪れ、熟練の技を学ぶ研修をスタートさせています。生産拠点は中国の安徽省に置かれ、2021年春までの販売開始を目標に準備が加速していく予定です。現地の巨大な生産ラインと日本の魂がこもった設計が融合することで、これまでにない高品質な車両が誕生することでしょう。
中国における霊きゅう車の年間需要は約6500台と推定され、これは日本の市場規模の約10倍に相当する途方もない数字です。カワキタは初年度に100台の販売を計画しており、確かな手応えを感じている様子が伺えます。中小企業が海外進出する際、資本を投下する合弁会社ではなく、あえて技術提供という形を選んだ河村賢整社長の判断は、リスクを最小限に抑えつつ果実を得る非常に賢明な戦略です。
私は今回の挑戦を、日本の「おもてなしの心」がハード面を通じて輸出される素晴らしい事例だと捉えています。2019年6月期に3億3000万円だった売上高を早期に4億円以上へ引き上げるという目標も、この巨大市場を前にすれば決して夢ではありません。地場産業が持つポテンシャルが世界で証明される日は、もうすぐそこまで来ているのではないでしょうか。
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