ゴーン追放から1年、日産は再生できるのか?迷走する経営陣と業績悪化の裏側を徹底解説

2018年に世界を揺るがしたカルロス・ゴーン元会長の逮捕劇から、2019年11月19日で約1年が経過しました。かつてのカリスマを排除し、新たな道を歩み始めたはずの日産自動車ですが、その足取りは驚くほど重いのが現状です。前代表の西川広人氏も、自身の報酬問題が引き金となり2019年9月に社長兼CEOの座を追われました。

SNS上では、度重なるトップの交代劇に対し「一体誰が船頭なのかわからない」「ゴーン氏がいた頃の推進力が懐かしい」といった、経営の空白期間を危惧する声が相次いでいます。強引な手法で知られた旧体制を否定した結果、皮肉にも日産は「決断できない組織」という迷路に迷い込んでしまったようにも見受けられます。

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新体制「トロイカ体制」への期待と不安

混迷を極める事態を打開すべく、2019年10月にようやく内田誠氏を次期社長兼CEOに据える新体制が内定しました。特筆すべきは、特定の個人に権限を集中させない「集団指導体制」への移行です。内田氏を支えるのは、三菱自動車から招くアシュワニ・グプタ氏と、再建策の旗振り役である関潤氏という、実力派の布陣となっています。

日産側は「新しい日産のイメージを世に示したい」と意気込みますが、一部の元首脳からは「経験不足ではないか」との厳しい指摘も飛んでいます。権力を分散させる手法は独裁を防ぐメリットがある反面、意見が割れた際にスピード感が失われるリスクも孕んでいるでしょう。変化の激しい自動車業界において、この慎重さが仇にならないか注視が必要です。

2019年11月12日には、2020年2月に臨時株主総会を開催し、旧体制の象徴であった西川氏らが取締役からも完全に退くことが決定しました。世代交代を急ぐ背景には、過去の負の遺産を早急に清算したいという焦燥感が見え隠れします。私個人としては、過去の否定だけに留まらず、未来への具体的なビジョンを提示することこそが急務であると考えます。

深刻な業績悪化と冷え込む日仏連合

経営の混乱は、数字となって如実に現れています。日産は世界規模で1万2500人もの人員削減を行う大規模なリストラ、いわゆる「外科手術」を断行していますが、市場の冷え込みはその想定を遥かに超えています。2020年3月期の連結営業利益予想は、当初の計画から800億円も下方修正され、1500億円まで落ち込む見通しとなりました。

ここで言う「営業利益」とは、本業である車の販売などで稼ぎ出した利益のことですが、この数字の激減は日産の稼ぐ力が著しく弱まっていることを意味します。筆頭株主である仏ルノーとの関係も、表面上の融和とは裏腹に、人事などを巡る不信感が根深く残っています。互いの顔色を窺い合うような現状では、かつての相乗効果は望めないでしょう。

世界に目を向ければ、トヨタ自動車がスバルなどとの連携を深め、欧米では巨大な経営統合が加速しています。自動運転などの次世代技術争いが激化する中、日産に残された時間は決して多くありません。内向きの議論に終止符を打ち、再び「技術の日産」として世界を驚かせる存在に戻ることを、多くのファンが切望しているはずです。

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