2019年9月9日、日本を代表する自動車メーカーである日産自動車に再び激震が走りました。不当にかさ上げされた報酬を受け取っていた問題を理由に、西川広人最高経営責任者(CEO)が2019年9月16日付で辞任すると発表されたのです。カルロス・ゴーン元会長の逮捕から1年足らずで、またしてもトップが不祥事で会社を去るという異常事態となっています。
この電撃的なニュースに対し、SNS上では「ゴーン氏の不正を厳しく追及していた本人が、同じ穴のムジナだったとは」「まさにミイラ取りがミイラになった状態だ」といった驚きと失望の声が相次いで飛び交っています。フランスなど海外メディアの報道でも皮肉交じりに伝えられており、日産に対する世間の視線は一段と厳しさを増していることでしょう。
今回の引き金となった「不適切にかさ上げされた報酬」とは、自社の株価に連動して受け取れる権利の行使日を意図的にずらし、本来の規定よりも多額の利益を得ていたというものです。経営トップとしてあるまじきコンプライアンス意識の欠如であり、グローバル企業の企業統治(コーポレート・ガバナンス)の根幹を揺るがす極めて重大な問題だと言わざるを得ません。
混迷極まる日産の次期トップ選定と3社連合の行方
大混乱の渦中にある日産ですが、すでに次期トップの選定プロセスは加速し始めています。指名委員会は2019年7月以降、約100人いた候補者を社内外から10人程度にまで絞り込みました。2019年10月末までに正式な後継者が決定するまでの期間は、山内康裕最高執行責任者(COO)がCEO代行として一時的な舵取りを担う見通しです。
次期トップに求められる最大の条件は、激動の世界自動車産業に精通し、仏ルノーや三菱自動車との「アライアンス(複数の企業が独立性を保ちながら協力し合う戦略的提携関係)」に深い理解がある人物とされています。3社連合の先行きには暗雲が立ち込めていますが、私個人としては、このパートナーシップの再構築こそが日産の再建に不可欠だと確信しています。
権力闘争や内部の対立を乗り越え、真の意味で透明性の高い経営を実現できる強力なリーダーシップを持った人材が、新たなトップとして選ばれることを強く期待してやみません。今後の日産自動車の動向から、ますます目が離せなくなりそうです。
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