スリランカ新大統領に「剛腕」ラジャパクサ氏が就任!インドが戦々恐々とする「親中回帰」のシナリオと地政学の行方

インド洋に浮かぶ「真珠」スリランカで、大きな政治の転換点が訪れました。2019年11月16日に実施された大統領選挙の結果を受け、元国防次官のゴタバヤ・ラジャパクサ氏が勝利を収め、2019年11月18日に第8代大統領として正式に就任したのです。

古都アヌラーダプラで行われた就任式では、国家の安全保障を最優先する姿勢を鮮明に打ち出しました。かつて内戦を終結に導いた「強いリーダー」の再登場に、SNS上では「治安維持に期待したい」という声がある一方で、強権的な手法を危惧する意見も入り混じり、大きな反響を呼んでいます。

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インドを刺激する「親中派」復活の足音

今回の政権交代で、国際社会が最も注目しているのは「地政学」的なバランスの変容でしょう。地政学とは、地理的な条件が国家の政治や外交に与える影響を分析する学問ですが、スリランカはその立地ゆえに、インドと中国という二大国の勢力争いの最前線となっています。

ラジャパクサ新大統領は、かつて中国への依存を強めたマヒンダ・ラジャパクサ元大統領の実弟です。インドの大手紙などでは、過去に中国海軍の潜水艦がスリランカの港に寄港した際の緊張を振り返り、「再び中国の影響力があからさまに強まるのではないか」と、深い警戒感を持って報じられています。

中立外交の標榜と内政の複雑なハードル

こうした周囲の懸念を打ち消すかのように、新大統領は「大国の勢力争いに巻き込まれない中立な立場を維持したい」と宣言しました。インドのモディ首相からも、2019年11月17日には祝辞とともに早期の訪印要請が届いており、まずは近隣諸国との関係構築に腐心する様子がうかがえます。

しかし、国内に目を向ければ、政権運営の足場固めには課題が山積みです。兄のマヒンダ氏を首相に起用したい意向ですが、現行の憲法ルールでは現職首相の罷免が難しく、2020年3月以降とされる議会解散の時期まで、野党との厳しい駆け引きが続くことになるでしょう。

編集部が読み解く:インド洋のチェス盤

筆者の視点としては、今回の就任は単なる一国のリーダー交代に留まらない、アジア全体のパワーバランスを揺るがす事態だと感じます。経済支援を武器に存在感を高める中国と、伝統的な影響力を保持したいインドの間で、スリランカが「中立」という言葉通りに振る舞えるかは不透明です。

「国家の安全」を強調するラジャパクサ氏の背後に、中国の資本や軍事的な影がどう差していくのか。平和を望む国民の声が、大国同士の野心に飲み込まれないことを切に願います。スリランカの舵取りは、2020年に向けてますます目が離せない状況となるに違いありません。

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