虐待から子供を守る「児童福祉司」を国家資格へ!専門性向上と人員不足のジレンマに迫る

今、日本中の注目が集まっているのは、子供たちの命を守る最前線「児童相談所」の在り方です。虐待のニュースが後を絶たない中、厚生労働省の専門家会議では、中心的な役割を担う「児童福祉司」を国家資格にするべきかという熱い議論が2019年に本格化しました。ネット上でも「プロ意識を高めるべきだ」という賛成の声と、「これ以上ハードルを上げたら誰もいなくなる」という不安の声が入り混じり、大きな反響を呼んでいます。

そもそも児童福祉司とは、家庭の相談に乗るだけでなく、時には子供を強制的に保護する決断を下す非常に重い責任を伴う職業です。専門家からは、保護者と対立しつつも信頼を築くという高度な技術が必要だとの意見が出ています。しかし、現状は自治体の公務員として数年で異動してしまうケースが多く、5年以上の経験を持つ職員は全体の4割にも届きません。これでは「腰掛けの仕事」になってしまい、肝心のノウハウが蓄積されないという危機感があるのです。

スポンサーリンク

急増する虐待相談と、疲弊する現場のリアルな数字

2018年度に全国の児童相談所が対応した虐待件数は、速報値で15万9850件にものぼりました。これは通告が義務化された2000年と比較すると、なんと約9倍という驚愕の数字です。これに対し、2019年4月時点の児童福祉司の数は当時の約2.9倍にとどまっており、現場の負担が限界を超えているのは明らかでしょう。千葉県野田市で起きた痛ましい事件など、組織の対応力が問われる事態が続く中、一刻も早い体制強化が求められています。

一方で、国家資格化に慎重な立場をとる専門家も少なくありません。2019年2月には、資格化が人員確保の妨げになると危惧する有志が約3000人の署名を集め、反対を表明しました。資格という壁を作ることで、ただでさえ足りない人手がさらに枯渇し、結果として支援の質が下がるという主張です。また、すでに存在する「社会福祉士」の資格で十分対応可能であり、現場での研修こそが実務能力を高める鍵だとする意見も根強く残っています。

子供たちの未来のために、今私たちが考えるべきこと

私は、専門性を担保するための資格化は長期的には必要だと考えます。しかし、目の前の命を救うためには、資格の有無以上に「働きやすい環境」と「十分な人員」の確保が最優先ではないでしょうか。制度を整える過程で現場がパンクしては本末転倒です。専門家会議は2020年12月を目処に結論を出す予定ですが、単なる肩書きの問題で終わらせず、子供たちが安心して暮らせる具体的な道筋を示してくれることを切に願っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました