「泳ぐ宝石」という別名を持つほど、その美しさで世界中の愛好家を虜にするニシキゴイ。現在、この伝統的な文化にテクノロジーの光を当て、誰もが透明性を持って取引できる画期的な仕組みが、産地である新潟県長岡市で産声を上げようとしています。
2019年12月02日、冬の足音が聞こえる長岡市の野池では、若き挑戦者たちが稚魚の選別作業に汗を流していました。その中心にいるのは、バイオベンチャーで再生医療の研究を行っていた岩田利彦さんです。最先端の生命科学から一転、ニシキゴイの世界へ飛び込みました。
岩田さんが仲間と共に2019年09月に設立したスタートアップ企業「KaaP(カープ)」は、ECサイトの巨人であるアマゾンのような、利便性の高い売買プラットフォーム「KoiFan」の構築を急ピッチで進めています。伝統産業に新風を吹き込む姿は実に刺激的です。
SNS上では「ニシキゴイの相場は素人には分かりにくかったから、こうした試みは応援したい」「日本の伝統がテクノロジーで守られるのは素晴らしい」といった期待の声が上がっており、若手経営者による業界のDX化(デジタル変革)に熱い視線が注がれています。
AIが審美眼を持つ?革新的な価値算定システムの全貌
「KoiFan」が目指すのは、単なる通販サイトではありません。最大の目玉は、2020年春の稼働を目標に開発が進められている「AI価値算定システム」でしょう。これは、画像や動画から人工知能がコイの価値を客観的に判断する驚くべき仕組みです。
AI(人工知能)とは、コンピューターが学習を通じて人間のような判断力を身につける技術を指します。このシステムでは、体長の大きさや体形のバランス、色彩の濃淡に加え、泳ぎの優雅さという極めて主観的な美しさまでもが数値化される予定です。
特に「御三家」と呼ばれる紅白、大正三色、昭和三色の品種は、模様の美しさが価格を大きく左右します。これに親ゴイの血統データまで加味することで、経験豊富なプロの目利きに迫る精度を目指している点には、技術者としての執念を感じずにはいられません。
私は、こうした客観的な指標の導入こそが、ニシキゴイ市場を世界に広げる鍵だと確信しています。情報の不透明さを排除し、英語や中国語での展開を見据える彼らの戦略は、地方創生における一つの理想形と言えるのではないでしょうか。
決済方法についても、カード払いや銀行振込といった現代的な手段を完備し、2019年現在の不透明な取引慣行を一新しようとしています。長岡の地から世界へ、デジタル技術を纏った宝石たちが飛び立っていく日は、もうすぐそこまで来ています。
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