2019年12月03日、トルコの経済的中心地であるイスタンブールから、現政権を揺るがす強烈なメッセージが発信されました。同市の顔であるエクレム・イマモール市長が日本経済新聞の取材に応じ、長期化する景気後退の元凶はエルドアン政権の強権的な統治にあると断言したのです。2018年に発生した通貨危機、いわゆる「トルコ・ショック」の爪痕が深く残る中、市民の生活を預かる市長の言葉には、政権に対する厳しい眼差しが込められています。
イマモール市長は、現在の経済不安について「長期にわたって国政を担う政権に全責任があるのは明白だ」と指摘しました。特に、独裁的とも評される現体制が「トルコの民主主義に対する国際的な信頼を著しく傷つけている」と分析しています。ここで言う「民主主義への信認」とは、国のルールが公平に運用されているという世界からの信頼を指しており、これが揺らぐことで外国資本が逃げ出し、結果として通貨リラの価値が下落し続けるという悪循環を招いているのでしょう。
政治的な駆け引きも激化しています。イマモール氏は2019年03月の市長選で与党候補を破りましたが、納得しない政権側により異例の再選挙へと追い込まれました。しかし2019年06月23日の再選挙では、逆に支持を広げて圧勝するというドラマチックな展開を見せています。この結果はSNSでも「民意の勝利」「トルコの夜明け」と大きな話題を呼び、現政権の強引な手法に対する国民のノーが突き付けられた形となりました。
立ちはだかる政権の壁と次期リーダーへの期待
市長就任後、イマモール氏はさらなる困難に直面しています。市の重要なインフラ整備計画に対し、国営銀行からの融資が突如としてストップしたのです。市長はこの事態を「明確な政治的意志によるもの」と述べ、エルドアン政権側からの嫌がらせであることを示唆しました。市民の利便性を人質に取るような露骨な圧力は、政権の焦りの裏返しとも受け取れますが、行政の停滞を招きかねない極めて深刻な問題と言えるでしょう。
私自身の見解としては、経済と政治は切り離せない密接な関係にあると考えます。投資家は自由で透明性の高い市場を好むため、強権的な介入が続く限り、トルコ経済の本格的な回復は遠のくばかりではないでしょうか。イマモール氏のような新しいリーダーが、いかにしてこの閉塞感を打ち破るのかが今後の鍵となります。SNS上では彼を「次期大統領候補」と推す声が絶えませんが、本人は「今は市長としての職務に専念する」と冷静な姿勢を貫いています。
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