生理用品や紙おむつのトップメーカーとして知られるユニ・チャーム株式会社が、2020年1月1日付で実施する大規模な組織改革と人事異動を発表しました。今回の刷新は、単なる役員の交代にとどまらず、少子高齢化やデジタル化といった社会構造の変化に真っ向から立ち向かう同社の強い決意が滲み出ています。SNS上では「副社長が2名体制で生産と営業をガッチリ固めるのは心強い」「ESGやDXへの本気度が伝わる布陣だ」といった、期待を込めた声が数多く寄せられています。
経営の要となる副社長には、石川英二氏が生産・開発管掌として、森信次氏が営業管掌として就任し、文字通り「つくる」と「売る」の両輪を統括します。特筆すべきは、企業の持続可能性を追求する「ESG(環境・社会・ガバナンス)」や、IT技術でビジネスを変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に関連するポストを大幅に強化した点です。時代の要請に合わせ、組織そのものをアップデートしようとする同社の姿勢は、業界内でも注目を集めています。
「共生社会」と「デジタル」を軸にした組織の進化
2019年12月3日に公開された情報によると、新たに「ESG本部」が設立され、志手哲也常務がその舵取りを担います。昨今、企業には利益だけでなく、環境への配慮や社会的責任が厳しく問われています。ユニ・チャームは「共生社会」の実現を掲げており、今回の改組はその理念を経営の中核に据えた証と言えるでしょう。また、デジタルイノベーションセンターの担当に台代雅之常務を配するなど、中国市場を含むグローバルなEC(電子商取引)戦略の強化も鮮明に打ち出されています。
日本国内の営業体制についても、2020年1月1日より「ジャパン営業統括本部」を廃止し、より現場に近い「営業戦略開発本部」や「支店統括本部」などを新設する大規模な機構改革が行われます。ショッパーマーケティング、すなわち「買い物客が店内でどう動くか」を分析する専門部署を設けるなど、消費者の変化をデータで捉え、即座に戦略に反映させる構えです。私は、この「現場感覚」と「データ活用」の融合こそが、成熟した日本市場で勝ち抜く鍵になると確信しています。
さらに、今回の人事ではグローバル展開の加速も見て取れます。中東や北アフリカ、インドネシアといった成長市場に経験豊富な役員を配置し、現地のニーズを汲み取った商品開発を徹底する方針です。少子高齢化が進む国内市場を支えつつ、爆発的な人口増加が見込まれる海外でいかにシェアを広げるか。ユニ・チャームが描く「2020年代の成長シナリオ」は、この新しいリーダーたちの手によって、力強く書き始められようとしています。
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