ベトナムの経済シーンに、誰もが予想だにしなかった激震が走りました。国内最大手の民間企業であるビングループが、長年展開してきた小売事業を大幅に縮小すると、2019年12月3日に電撃発表したのです。街の至る所で見かけるスーパーやコンビニが、大きな転換期を迎えています。
今回の決定により、ビングループは運営会社である「ビンコマース」などの経営権を、現地大手食品メーカーのマサングループへ譲渡します。この「経営権の譲渡」とは、会社の事業を動かす決定権を他社に渡すことを指し、事実上の事業切り離しを意味しているといえるでしょう。
ネット上では「あのビンマートが変わってしまうのか」といった驚きの声が相次いでいます。利便性の高かった店舗網が維持されるのか、不安と期待が入り混じった反応が広がっているようです。急速な多店舗展開による赤字が、今回の決断を後押ししたとの見方が有力です。
不動産から自動車へ!ビングループが描く新時代の戦略
ビングループは、もともと不動産開発で莫大な利益を上げてきた企業です。しかし、2019年6月には約4000億円という巨額を投じて自動車工場を建設し、ベトナム初の国産ブランド車の生産を開始しました。これからは、成長著しい自動車やスマホ事業に全力を注ぐ構えです。
一方で、この野心的な投資に対して、市場からは慎重な意見も漏れ聞こえてきます。格付け大手のフィッチ・レーティングスが、かつて同社の見通しを「弱含み」に引き下げた経緯もあり、不採算部門を切り離すことで、投資家たちの不安を払拭したいという狙いが見え隠れします。
個人的な見解ですが、この決断は「ベトナムの顔」としてのプライドを賭けた勝負だと感じます。小売りという生活基盤を捨ててまで、国の象徴となる自動車産業へ資源を集中させる姿は、非常に勇気ある選択です。この再編がベトナム経済を一段上のステージへ押し上げるのか、注目です。
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