大学入試の英語4技能評価はどうなる?学長アンケートで浮き彫りになった「民間試験一本化」への根強い不信感と公平性の壁

2019年12月04日、大学入試のあり方を揺るがす大きな転換点を迎えました。2020年度から導入が予定されていた大学入学共通テストにおける英語民間試験の活用が見送られたことを受け、日本の教育現場は今、かつてない議論の渦中にあります。英語の「読む・聞く・書く・話す」という4技能をどのように適切に評価すべきか、その最適解を求めて大学側も頭を悩ませている状況です。

日本経済新聞社が国内の有力大学の学長を対象に実施した調査では、今後の入試の方向性について非常に興味深い結果が得られました。驚くべきことに、民間試験への完全な一本化に賛成した学長はわずか1割程度にとどまったのです。グローバル化が叫ばれる昨今、外部試験の活用はもっと支持されているかと思われましたが、教育の最高責任者たちは慎重な姿勢を崩していません。

SNS上でもこの話題は大きな波紋を広げており、「受験生の経済格差や居住地域による有利・不利が解消されていない」「そもそも民間試験の目的は入試ではないはず」といった厳しい意見が相次いでいます。公平性を何よりも重んじる日本の入試文化において、運営主体の異なる複数の試験を合否判定に用いることへの不安は、私たちが想像する以上に根深いものと言えるでしょう。

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共通テストへの期待と民間試験が抱える構造的な課題

アンケートに回答した学長の3割を超える方々は、民間試験に頼るのではなく、大学入試センターが自ら4技能を測定する試験を作成し、それに一本化すべきだと主張しています。ここで言う「4技能試験」とは、従来のリーディングとリスニングに加え、記述式のライティングや対面・録音形式のスピーキングを網羅した、より実践的なコミュニケーション能力を測るための評価手法を指します。

民間試験には英検やTOEFL、IELTSなど多様な種類が存在しますが、これらは本来、学習の習熟度確認や留学資格の証明として開発されたものです。そのため、一発勝負の選抜試験として機能させるには、試験内容の難易度調整や実施環境の平準化など、解決すべきハードルが山積みです。学長たちの声は、こうした精度の不透明さに対する教育者としての誠実な危惧の表れではないでしょうか。

私個人の見解としても、入試における「公平性の担保」は聖域であるべきだと考えます。民間の活力を導入するメリットは理解しつつも、受検料の負担や会場までの距離という物理的な格差が、若者の未来を左右することは避けなければなりません。単に4技能を測るという手法だけに固執せず、日本の教育環境に即した持続可能な仕組み作りを、今こそ国を挙げて再考すべき時が来ているのです。

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