2019年12月05日の東京株式市場において、日経平均株価は反発して取引が始まりました。前日まで市場を覆っていた米中貿易協議の先行きの不透明感に対し、過度な悲観論が和らいだことが買い注文を促す形となったようです。
投資家の心理を支えたのは、難航していると思われていた米中間の交渉が進展するのではないかという期待感でしょう。世界経済の二大巨頭が歩み寄る兆しを見せたことで、リスクを取って資産を運用しようとする動きが再び活発化しています。
一方で、株価が上昇した場面では「利益確定売り」と呼ばれる動きも目立ちました。これは、すでに株を保有している投資家が利益を確保するために売却することを示しており、この売りに押されて株価の上昇幅が制限される重い展開です。
SNS上では「米中のニュース一つで相場が振り回されすぎる」といった戸惑いの声や、「安値で拾っていたので一安心」という安堵のコメントが入り乱れています。依然として世界情勢のニュースに対して、市場が敏感に反応する状況が続いているようです。
業種ごとの明暗と今後の展望
業種別の動きに目を向けると、資源開発を担う「鉱業」や「パルプ・紙」、さらにはガラスやセメントを扱う「窯業(ようぎょう)」といったセクターが、堅調な推移を見せています。これらの業界には、景気回復への期待から買いが集まりました。
ここで使われる「窯業」とは、粘土や石灰石などの原料を高温の窯で焼き、陶磁器やガラス、セメントを作る工業のことです。建設やインフラに関わる基礎的な素材を供給するため、景気の浮沈を占う重要な指標とされることが多々あります。
対照的に、自動車などの「輸送用機器」や、公共性の高い「電力」といった業種は、今回の局面では売りが先行する形となりました。特定のセクターに資金が集中する一方で、利益が出たところから資金を抜く動きも併行して行われています。
編集者の視点としては、現在の相場はあくまで「政治主導」であり、実体経済の強さに基づいた上昇ではない点に注意が必要です。トランプ政権の一挙手一投足に一喜一憂する投資家の姿は、健全な市場の姿とは言い難い面もあるでしょう。
交渉の妥結が現実味を帯びるまでは、このような一進一退の攻防が繰り返されるはずです。目先の数値に惑わされず、各国の関税政策が具体的にどう動くのかを注視し、冷静に市場の動向を見守る姿勢が、今まさに求められていると言えるでしょう。
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