2019年07月06日、九州・沖縄を拠点とする主要上場企業58社を対象とした、2019年上半期の時価総額ランキングが明らかになりました。2018年12月末と比較した今回の調査では、約4割に相当する23社の時価総額が増加するという、ポジティブな兆しが見えています。前年末に日経平均株価が2万円の大台を割り込む厳しい下落局面を経験した反動から、投資家たちの間で「買い時」と判断された銘柄に資金が戻りつつあるようです。
今回の調査で増加額のトップに輝いたのは、北九州市に本社を置く安川電機です。同社は産業用ロボットや、電流の周波数を変えてモーターの回転速度を制御する「インバーター」で世界的なシェアを誇るハイテク企業として知られています。2019年4月には自社株買いの発表などを好感し、株価が年初から7割近くも急騰する場面が見られました。企業の稼ぐ力が時価総額、つまり「企業価値の合計」に直結することを証明する形となったのです。
SNS上では、安川電機の圧倒的な勢いに対して「九州の製造業の底力を見た」といった驚きの声が上がる一方で、米中貿易摩擦による設備投資への影響を不安視する意見も散見されます。実際に、ロボット需要は自動車産業を中心に底堅いものの、国際情勢の不安定さが投資家の心理に影を落としているのも事実でしょう。ハイテク関連銘柄は景気の波を受けやすい特性があるため、今後の世界経済の動向が鍵を握ると私は分析しています。
ハイテク関連の躍進と期待を集める次世代技術
安川電機以外でも、生産設備の自動化を得意とする平田機工が5位に、半導体部材を手がける三井ハイテックが6位にランクインするなど、製造業の復調が目立ちます。平田機工については、スマートフォン向けの有機EL関連需要に不透明感があるものの、年初から株価は4割強も上昇しました。これらは過去の株価調整を経て、改めて企業の技術力が再評価された結果といえるでしょう。まさにハイテク大国としての九州の存在感が光っています。
また、4位に食い込んだオプティムの動きにも注目すべきです。同社は人工知能(AI)やクラウド技術を駆使し、農業や医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引するベンチャー気質の強い企業です。特にAIを用いた在宅医療や工程管理の特許取得を進めており、2019年3月期決算では3割の増収を記録しました。こうした次世代技術への期待感は、将来の成長を夢見る投資家にとって非常に魅力的な投資対象として映っているようです。
一方で、電力や銀行、鉄道といった内需主体のインフラ系企業は、時価総額の伸び悩みが見られました。人口減少や金利環境の厳しさに加え、人件費の高騰が経営の重荷となっている現状は否めません。しかし、内需関連であっても独自の戦略で利益を確保している企業は評価されています。例えば2位のTOTOは、中国での新製品投入や国内での価格改定を打ち出したことで、業績のV字回復を期待する買いが集まり、見事に上位へと食い込みました。
さらに沖縄県からはサンエーがランクインし、観光業の好調さを背景とした底力を見せています。2019年06月にはパルコと共同で大型商業施設を開業するなど、攻めの姿勢が投資家に評価された結果でしょう。九州・沖縄の経済は、グローバルな製造業と地域密着型のサービス業が両輪となって動いています。今後、これらの企業が人件費増を乗り越え、いかに収益性を維持できるかが、下半期の市場を占う重要な指標になるはずです。
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