日本製鉄の株価が急騰!構造改革と政府の経済対策が呼び込む「4カ月ぶり高値」の真実と今後の展望

2019年12月05日の東京株式市場において、日本を代表する鉄鋼メーカーである日本製鉄の株価が劇的な動きを見せました。一時は前日と比較して107円50銭、率にして7%もの急上昇を記録し、1696円50銭という8月以来の株価水準を回復しています。この力強い値動きの背景には、専門家による将来性の再評価と、国を挙げた景気刺激策への期待感が複雑に絡み合っているようです。

市場の注目を一身に集めるきっかけとなったのは、SMBC日興証券が2019年12月04日付で発表した最新のレポートでした。同証券は日本製鉄の投資評価を最高ランクへ引き上げ、目標株価を従来の1640円から2200円へと大幅に上方修正しています。これに反応した投資家たちの買い注文が殺到し、売買代金は前日の4倍を超える約155億円にまで膨れ上がるという熱狂ぶりを見せました。

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構造改革への期待と立ちはだかる厳しい収益環境

投資家たちが期待を寄せるのは、同社が今後打ち出すであろう「構造改革」の断行です。アナリストの予測によれば、2020年には全国に点在する製造設備の集約など、より踏み込んだ効率化策が発表される可能性が高いとされています。すでに国内16拠点を6つの製鉄所へ再編する方針は示されていますが、利益率を改善するためには、聖域なき固定費の削減が不可欠であるという見方が市場では大勢を占めています。

現在の日本製鉄を取り巻く環境は、決して楽観視できるものではありません。2020年03月期の純利益見通しは、前期から84%も減少する400億円にとどまる見込みです。これは、自動車向け鋼材の需要低迷に加え、原料となる鉄鉱石の価格高騰や物流コストの上昇が、利益を圧迫する「逆風」となっているためです。ここでいう「鋼材市況」とは、鉄鋼製品が取引される市場の相場のことで、現在は世界的な供給過剰などから価格が伸び悩んでいます。

SNS上では、この株価急騰に対して「ようやく鉄鋼株に光が差してきた」「PBR0.48倍はあまりにも割安すぎる」といった驚きの声が上がっています。PBRとは「株価純資産倍率」のことで、企業の資産価値に対して株価が何倍まで買われているかを示す指標です。1倍を下回る現状は、解散価値よりも株価が低いという異常事態であり、投資家にとっては「掘り出し物」の景気敏感株として映っているのでしょう。

公共事業の追い風が導く2000円の大台への道筋

さらに追い風となっているのが、日本政府が打ち出した大型の経済対策です。公共事業の拡大は鉄鋼需要を直接的に押し上げるため、冷え込んでいた業績を底上げする強力なブースターとなるでしょう。市場関係者の間では、割安なまま放置されていた銘柄への買い戻しが進めば、株価は2000円の大台に到達するとの強気な予測も現実味を帯びて語られ始めています。

編集部としての視点ではありますが、今回の株価上昇は単なる短期的なリバウンドではなく、日本産業の屋台骨である鉄鋼業が「再生」へ向けて歩み出した号砲であると感じます。確かに世界経済の不透明感は拭えませんが、自らの痛みを伴う改革を断行しようとする姿勢は、投資家からの信頼を取り戻す最良の手段ではないでしょうか。守りから攻めへと転じる同社の動向から、今後も目が離せそうにありません。

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