日本が誇る高級洋食器の代名詞「ノリタケ」が、今まさに大きな変革の時を迎えています。名古屋を拠点とする名門企業、ノリタケカンパニーリミテドは、2019年11月14日現在、かつての食器メーカーという枠組みを超え、工業用砥石の国内大手としての地位を盤石にしようと動いています。
しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。2008年のリーマン・ショック以降、業績は足踏み状態が続き、研究開発への投資も消極的な状況が続いていたのです。こうした「成長の踊り場」を脱却すべく、加藤博社長は「座して死を待つわけにはいかない」と決意を新たにしています。
中国・蘇州に巨大な拠点が誕生!大型砥石で世界を狙う
反転攻勢の象徴となるのが、中国の蘇州で建設が進んでいる新工場です。ノリタケは2020年度の上半期を目途に、直径915ミリメートルという巨大な工業用砥石の生産を開始する予定です。この「砥石」とは、工作機械に取り付けて高速回転させ、金属などの表面を精密に削り取るためのツールです。
特に鉄鋼業界において、この工程は製品の強度を左右する極めて重要な役割を担っています。世界全体の鉄鋼生産の約半分を占める中国市場は、同社にとって無視できない巨大なフィールドです。2020年1月までには合計3棟の建屋が完成し、アジア圏への輸出拠点としても期待が寄せられています。
過去の成功に甘んじない!研究開発への巨額投資を断行
今回の戦略転換で最も注目すべきは、資金の投じ方です。これまで年間40億円程度に抑えられていた設備投資を、2019年度からの3年間で一気に倍増の80億円規模へと引き上げます。ライバルである日本ガイシや日本特殊陶業が投資を加速させる中で、ノリタケもついに攻めの姿勢に転じました。
さらに、製造業の生命線である研究開発費についても、現在の1.5倍にあたる年間50億円から60億円規模まで増額する方針です。SNS上では「ノリタケといえばお皿だと思っていたけれど、実は日本のモノづくりを支えるハイテク企業だったのか」と、その意外な実態に驚きと期待の声が上がっています。
陶磁器作りで培った「緻密な構造を作る技術」を、高熱や負荷に耐える工業製品へと昇華させる同社の歩みは、伝統と革新の融合そのものです。財務基盤が安定している今こそ、次なる収益の柱を育てる絶好のチャンスと言えるでしょう。これからのノリタケが、再び世界を驚かせる日はそう遠くないはずです。
コメント