2019年12月06日、伝統芸能の枠を超えて愛される大蔵流茂山家から、新年を彩る素晴らしいニュースが届きました。来る2020年01月05日、大阪市に位置する大槻能楽堂にて「新春 天空狂言2020」が開催されます。お正月の空気感をそのままに、家族皆で楽しめる晴れやかな舞台が用意されているようです。
今回の公演で特に注目したいのは、新年に相応しい「末広かり」などの寿ぎの演目だけではありません。2020年の干支である「子(ねずみ)」をテーマにした、一風変わった狂言が披露されることになりました。それは、イソップ童話としてお馴染みの「町のねずみと田舎のねずみ」を題材にした「伊曽保鼠(いそほねずみ)」という作品です。
「伊曽保(いそほ)」とは、イソップ物語が戦国時代末期に日本へ伝わった際に充てられた漢字表記を指します。西洋の寓話と、日本の伝統芸能である狂言が見事に融合したこの作品は、約50年以上も前に飯沢匡氏によって生み出されました。半世紀を経た今、茂山あきら氏の手によって、現代に蘇る演出が施されるのは非常に感慨深いものがありますね。
演出を手掛ける茂山あきら氏は、古典の精神を大切にしながらも、現代社会に鋭く切り込む風刺を盛り込むことを明かしています。狂言の醍醐味は、人間の滑稽さや本質を笑い飛ばす点にありますが、今回の舞台もまさに「今」を生きる私たちの姿を映し出してくれるでしょう。SNS上でも「干支にちなんだ演目なんて縁起が良い」「子供も喜びそう」といった期待の声が広がっています。
伝統芸能が映し出す現代の姿
私個人としても、古典芸能が時代に合わせてアップデートされる姿勢には非常に共感いたします。一見すると遠い世界の物語に思える狂言ですが、実は現代のサラリーマンや家族が抱える悩みと共通する部分が少なくありません。50年以上前の脚本が現代にも通用するという事実は、人間の本質がいつの世も変わらないことを証明しているのではないでしょうか。
笑いの中に少しの毒と、深い洞察が込められた茂山家の狂言は、忙しい日常を送る現代人にとって最高のデトックスになるはずです。2020年01月05日は、伝統ある能楽堂の椅子に腰掛け、自分たちの生活を少し俯瞰して笑ってみる、そんな贅沢な時間の過ごし方をおすすめしたいと思います。新年の初笑いは、ぜひこの舞台で体験してみてください。
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