2019年12月6日、埼玉県のビジネスシーンに衝撃を与えるデータが発表されました。埼玉りそな産業経済振興財団が県内企業を対象に実施した調査によれば、人員が足りていないと回答した企業は全体の47.4%に達しています。前年に比べて0.2ポイントという僅かな減少を見せたものの、依然として約半数の企業が頭を抱えている計算です。
今回の結果は4年ぶりの改善となりましたが、現場の感覚としては手放しで喜べる状況ではないでしょう。財団側も「不足感は依然として強い」との見解を示しており、高止まりの状態が続いています。SNS上では「求人を出しても応募が来ない」「現場の負担が限界に近い」といった切実な声が散見され、統計データ以上に現場の疲弊が伝わってくるようです。
業種間で広がる格差と深刻化する非製造業の叫び
興味深いのは、業種によって「人手不足」の風景が全く異なっている点です。製造業では不足と答えた割合が30.7%となり、前年から6.5ポイントも低下しました。これに対して、サービス業や建設業などを含む「非製造業」は56.6%と過半数を超え、さらには前年より3.7ポイントも悪化する結果となっています。
非製造業とは、形のあるモノを作るのではなく、接客や配送、医療・介護といったサービスを提供するビジネスを指す専門用語です。こうした現場では、先行きの見通しも「不足」と予想する企業が6割を突破しており、課題の根深さが浮き彫りとなりました。労働集約型、つまり人間の力に頼る部分が大きい業種ほど、人不足の波をダイレクトに受けているのでしょう。
一方で、ポジティブな変化も確実に起きています。正社員として働く人の数は、前年より「増加した」と答えた企業が33.3%に達し、「減少した」という回答を大きく上回りました。人手が足りないからこそ、企業側も腰を据えて働いてくれる優秀な人材を確保しようと、本腰を入れている様子が伺えます。
編集者が見る「雇用の質」と企業の未来
注目すべきは、企業のコスト負担です。人件費の総額が増えたと答えた企業は約6割に上り、人手不足を背景とした給与アップの波が押し寄せています。労働者にとっては魅力的な環境が整いつつありますが、経営側にとっては利益を圧迫する厳しい局面だと言えるでしょう。2019年10月中旬に行われたこの調査からは、今の経済の歪みが鮮明に見えてきます。
編集者としての私見ですが、もはや「給与を上げる」だけでは人材を繋ぎ止めるのが難しい時代に突入しています。今後は、働きやすさや自己成長の機会といった、目に見えない価値をどう提供できるかが鍵になるはずです。企業には単なる人員補充ではなく、効率化やデジタル化を通じた「働き方のリデザイン」が求められているのではないでしょうか。
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