台風テレワークは新常識へ!通勤地獄を回避し命を守る「賢い働き方」と企業の課題

2019年、相次ぐ巨大台風の上陸により、私たちの働き方は大きな転換点を迎えています。首都圏を襲った台風では、鉄道各社が事前に運行を止める「計画運休」を実施しましたが、運転再開後の駅には人が溢れ返り、大混乱となりました。こうした事態を受け、移動中の負傷や街中のパニックを防ぐための「台風テレワーク」という選択肢が、今まさに注目を集めているのです。

SNS上では「駅で数時間待つのは苦行でしかない」「会社に行くこと自体が目的になっている」といった悲鳴に近い声が多く上がっています。無理に出社を試みることで、疲弊するだけでなく熱中症や転倒などのリスクに晒されるのは、果たして正解なのでしょうか。2018年9月4日に台風21号で深刻な被害を経験した関西圏では、すでにこうした危機意識が先行し、在宅勤務への切り替えが着実に広がりを見せています。

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無理な出社が招くリスクと現場の切実な声

2019年9月9日、台風15号の影響でJR東日本が計画運休を行った際、主要駅は通勤客で埋め尽くされました。44歳の大学職員の男性は、4時間をかけて出勤したものの、わずか3時間働いて帰路についたといいます。蒸し暑い車内での移動は、命の危険すら感じる過酷なものでした。職場にテレワークの制度がないために休暇を取るか無理に出社するかという極端な二択を迫られる現状に、多くのビジネスパーソンが疑問を抱いています。

ここで言うテレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用し、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を指します。自宅でパソコンさえあれば業務が進められる職種において、荒天時に無理をして移動することは、社会全体の復旧作業を妨げる要因にもなりかねません。専門家は、安易に駅へ向かう行動はリスク認識が欠如していると指摘しており、自分の身を守る判断が組織全体に求められているのです。

企業の備えと「非常時」を想定した文化の醸成

先進的な取り組みを行う企業も現れています。阪急阪神ビジネストラベルでは、2019年10月の台風19号上陸を前に、管理職へパソコンの持ち帰りを指示しました。その結果、在宅勤務へのスムーズな移行が可能となり、顧客対応に支障をきたすこともなかったそうです。「台風は予測ができる災害」だからこそ、事前の準備が功を奏した好例と言えるでしょう。

しかし、東京都が2019年7月に実施した調査では、テレワーク導入企業の多くが「生産性向上」を目的としており、災害などの非常時を想定した運用はまだ十分とは言えません。私は、日本特有の「這ってでも出社する」という精神論から脱却すべきだと考えます。非常時にこそ柔軟な対応ができる組織こそが、真の意味でリスク管理能力の高い、信頼される企業として評価されるべき時代なのです。

2020年の東京五輪を見据え、混雑緩和の実証実験も行われていますが、この流れを一時的なものにしてはいけません。介護や育児といった個別の事情だけでなく、台風などの自然災害もテレワークの正当な理由として認める文化を醸成する必要があります。当日の申請でも柔軟に許可できる体制を整えることが、従業員の安全確保と事業継続の両立を実現する鍵となるでしょう。

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