2019年12月09日、日本の司法制度が大きな転換点を迎えました。法務省は法制審議会の部会において、少年法の適用年齢を現在の20歳未満から18歳未満へ引き下げる議論が進む中、18歳と19歳の若者が罪を犯した場合でも、引き続き家庭裁判所(家裁)が関与し続けるという指針を明らかにしました。
このニュースが報じられると、SNS上では「成人年齢が18歳になるのだから、厳罰化すべきだ」という厳しい意見がある一方で、「未熟な若者には教育的なアプローチが必要だ」と、更生を重視する仕組みの維持を支持する声も目立ち、議論は白熱しています。世論の関心の高さは、まさに正義のあり方を問うものと言えるでしょう。
家庭裁判所が果たす役割と「逆送」の仕組み
そもそも少年法とは、20歳未満の若者が過ちを犯した際、単に刑罰を与えるのではなく「更生」を最優先に考える法律です。ここで重要な役割を担うのが家庭裁判所です。家裁は少年の性格や育った環境を詳しく調査し、少年院送致などの「保護処分」にするのか、あるいは刑事裁判にかけるべきかを判断します。
「逆送(ぎゃくそう)」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。これは家裁が「この事件は刑事罰が必要だ」と判断し、身柄を検察官へ送り戻す手続きを指します。法務省が今回提案した案では、18歳・19歳の若者に対して、この家裁を通じた慎重なプロセスを今後も残すことが軸となっています。
法務省が示した具体的な案には、殺人などの重大な事件に限り家裁を通さず検察が起訴できる「例外」を設ける案と、現行通り全ての事件を一度家裁に送る案の二つがあります。いずれも、若者が社会から孤立せずに立ち直るための「支援の窓口」を完全に閉ざさない配慮がなされているのです。
編集者の視点:更生と責任のバランスをどう取るべきか
個人的には、18歳を成人とする社会の流れの中で、権利だけでなく責任を求めるのは当然の帰結だと感じます。しかし、少年法の本質が「やり直しの機会」にあることを忘れてはなりません。若さゆえの過ちを社会全体でどう包摂し、再び良き市民として迎え入れるかという視点は、決して甘やかしではないはずです。
SNSでの「被害者の感情を最優先に」という切実な訴えと、司法が目指す「再犯防止」という実利的な目標をどう両立させるかが今後の課題でしょう。法務省が今回、現行制度に近い形を維持しようとしたのは、これまでの家裁による教育的措置が、再犯率の低下に一定の効果を上げてきた自負があるからだと思われます。
2020年の通常国会に向けて、法改正の議論はさらに加速していくでしょう。単なる年齢の線引きにとどまらず、若者たちが自らの罪と向き合い、真の意味で自立できる仕組みが構築されることを切に願います。私たち市民も、この議論を他人事とせず、注視していく必要があるのではないでしょうか。
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