アサヒビールがシェア争いから脱却?2020年から販売数量公表を終了し「利益重視」へ舵を切る真意とは

ビール業界に激震が走るニュースが飛び込んできました。アサヒビールは2019年12月11日、これまで慣例となっていた毎月の販売数量公表を、2020年1月分から取りやめる方針を明らかにしました。この決定により、長年続いてきたビールメーカー大手4社による熾烈なシェア争いの推計が極めて困難になることが予想されます。

アサヒグループホールディングスによれば、2020年12月期から経営の軸足を「売った量」ではなく「どれだけ利益を上げたか」という事業利益重視にシフトさせるための決断であると説明しています。ビジネスの評価指標が抜本的に変わる、大きな転換点と言えるでしょう。

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ブランド戦略の深化と変化する業界の構図

今後の情報開示については、2020年1月8日に開催予定の事業方針説明会にて、年間の販売金額目標という形で提示される見通しです。「ビール」や「発泡酒」、そして「第三のビール(新ジャンル)」といったカテゴリーごとの詳細は伏せられる一方、看板商品である「スーパードライ」などは引き続き数量が公表されます。

ここで注目したい「第三のビール」とは、酒税法上の分類でビールや発泡酒とは異なる原料や製法を用いることで、低価格を実現したアルコール飲料を指します。SNS上では「シェアが分からなくなるのは寂しいけれど、中身で勝負してほしい」といった声や、「ブランド力が試される時代になる」との反応が相次いでいます。

業界内では、キリンビールの「本麒麟」が猛追を見せており、2020年にも首位が逆転するのではないかという憶測が飛び交っています。アサヒ側は首位陥落を恐れたわけではないと否定していますが、背景には国内の消耗戦を抜け出し、近年注力している海外事業での成長を加速させたいという強い意志が感じられます。

個人的な見解を述べさせていただくと、この決断は「数」の呪縛から解き放たれ、本来あるべき「価値」の提供に専念するための英断だと捉えています。安売りでシェアを奪い合うよりも、ファンに愛される高品質な商品を適正な価格で届ける文化が、日本のビール市場に定着することを期待してやみません。

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