建設業界の屋台骨を支える資材市場に、大きな動きが見られました。国内電炉最大手の共英製鋼は2019年12月12日、マンション建設の要となる「異形棒鋼」の販売価格を引き上げると発表しました。2020年1月分から、1トンあたり2000円(約3%相当)の上方修正が実施される運びです。
価格改定が行われるのは2019年4月以来、実に9カ月ぶりの出来事となります。今回の決定は、原材料の調達コストが膨らんでいる現状を反映させたものといえるでしょう。市場では「いよいよ来たか」という緊張感が漂っており、今後の動向を注視する声が日増しに強まっています。
異形棒鋼の値上げを後押しする供給不足と堅調な需要
今回の値上げにおける最大の要因は、主原料である鉄スクラップの価格上昇です。鉄スクラップとは、建物解体時や工場から出る鉄の廃材を再利用したもので、電炉メーカーにとっては欠かせない資源となります。2019年11月中旬以降、この仕入れコストが急速に跳ね上がりました。
さらに、建設現場における工法の変化も需要を押し上げています。昨今は鉄骨同士を繋ぐ「ハイテンションボルト(高力ボルト)」が深刻な不足状態に陥っており、鉄骨造から鉄筋コンクリート造(RC造)へ設計変更する物件が増加しました。これにより、鉄筋の主役である異形棒鋼への引き合いが強まっています。
SNS上では、建設関係者から「ボルト不足の影響がこんなところまで波及するのか」といった驚きの声が上がっています。また、相次ぐ自然災害の復旧に向けた土木工事需要も根強く、市場全体が供給側の価格提示を受け入れざるを得ないムードに包まれているのが現状です。
2月も継続値上げか?編集部が読み解く先行きと業界への影響
共英製鋼の坂本尚吾取締役は、早くも2020年2月分についても追加値上げを検討する方針を明らかにしました。メーカー側としては、コスト増を速やかに価格転嫁し、収益性を確保したいという強い意志が感じられます。需要が堅調な今こそ、強気の姿勢を崩さない構えのようです。
私個人の見解としては、この値上げラッシュは単なる一時的な現象に留まらないと推測します。五輪関連のインフラ整備や災害対策が続く中で、資材価格の上昇は最終的な住宅価格や公共事業費にも跳ね返るでしょう。現場のコスト管理は、これまで以上にシビアな局面を迎えることが予想されます。
資材の安定供給と価格の妥当性は、都市開発のスピードを左右する極めて重要な要素です。今後の鉄スクラップ相場の推移次第では、さらなるコスト増が避けられない可能性も否定できません。私たちは、この変化が住まいやインフラにどう影響していくのか、引き続き注視していく必要があります。
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