私たちの日常が、まるでSF映画のような光景に変わろうとしています。大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は、2019年12月13日に次世代の「顔認証改札機」を報道陣へ公開しました。このシステムは、カメラで利用者の顔を瞬時に捉え、あらかじめ登録された写真データと照合して扉を解錠する仕組みです。これまではICカードや切符を取り出すのが当たり前でしたが、これからは「手ぶら」で改札を通り抜ける時代がすぐそこまで来ているのでしょう。
今回の実証実験は2020年9月30日まで行われる予定で、まずは大阪メトロの社員を対象に実施されます。導入駅は長堀鶴見緑地線のドーム前千代崎駅や中央線の森ノ宮駅など合計4駅となっており、複数のメーカーが開発した異なるタイプの機体が設置されました。SNS上では「財布を出さなくていいのは楽」「マスクをしていても認識されるのか気になる」といった期待と好奇心の入り混じった声が数多く寄せられており、注目度の高さが伺えます。
大手4社が競う最新技術と、大阪メトロが描く切符のない未来
このプロジェクトには、東芝インフラシステムズやオムロンソーシアルソリューションズといった国内屈指の技術力を持つ4社が参画しています。駅ごとに異なるデザインや機能の改札機を配置することで、認識の精度だけでなく、利用者がスムーズに通過できるかといった利便性も厳しく検証されるはずです。異なるアプローチの技術が競い合うことで、より日本に最適化された使い心地の良いシステムが磨き上げられていくに違いありません。
大阪メトロが掲げるビジョンは非常に野心的です。2024年度までには、すべての駅の全改札口に少なくとも1台の顔認証機を導入することを目指しています。さらに将来的な構想としては、紙の切符や磁気定期券そのものを廃止したいという考えもあるようです。物理的な媒体をなくすことは、コスト削減だけでなく、環境負荷の低減や非接触による衛生的な移動体験にもつながるため、非常に理にかなった進化であると私は強く感じます。
顔認証とは、人間の顔のパーツの配置や輪郭などをデジタルデータとして分析する生体認証技術の一種です。指紋認証などと異なり、センサーに触れる必要がないため、荷物で手が塞がっている際にも極めて有効な手段となるでしょう。プライバシー保護と利便性のバランスをどう取るかという課題は残るものの、大阪から始まるこの挑戦が、日本の鉄道インフラの歴史を塗り替える大きな一歩になることを期待して止みません。
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