山口フィナンシャルグループ(FG)が、傘下3行の顧客データをクラウド上で一元管理する画期的な仕組みを構築しました。これまで山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行の各行に分散していた膨大な情報を、「Azure(アジュール)」というマイクロソフト提供のクラウド基盤へ集約したのです。これは、単なるデータの保管場所を変えただけではなく、銀行の営業スタイルを根本から変える大きな一歩だと言えるでしょう。
アジュールとは、インターネット経由でコンピューターのリソースを利用できるサービスで、高度な分析機能が備わっています。これまでは、営業現場でデータが必要になっても、システム部門に抽出を依頼してから手元に届くまで、1週間から2週間もの時間を要していました。しかし今回の統合データベース構築によって、行員は必要な時に、目の前の顧客ニーズを即座に分析し、提案に活かすことが可能になったのです。
スピード感あふれる地域密着型コンサルティングの実現
データが統合されたことで、広島、山口、福岡の各県にまたがる広域的な顧客の動きも、手に取るように把握できます。例えば、あるお客様がどの地域のATMを頻繁に利用しているかといった履歴も瞬時に確認できるため、タイミングを逃さないキャンペーン展開が期待されるでしょう。また、企業同士を引き合わせるビジネスマッチングにおいても、より精度の高い、最適なパートナー選びがスピーディーに行えるようになります。
SNS上では「地銀もついにクラウド本格活用の時代か」「スピード感が上がれば、利用者にとってもメリットが大きい」といった期待の声が寄せられています。特に、これまでの硬直的なシステム運用に疑問を感じていた層からは、今回の柔軟な変革に対してポジティブな反応が目立ちます。金融機関がテクノロジーを味方につけることで、地域経済の活性化がさらに加速するのは間違いありません。
私が注目しているのは、営業行員の「行動の可視化」まで視野に入れている点です。GPSデータや日報をクラウドで分析し、成績優秀な行員の動きをチームで共有する試みは、組織全体の底上げに繋がるはずです。従来の「勘」に頼る営業から、データに基づいた「科学的な営業」への脱皮は、地銀の生き残り戦略として非常に理に適っています。安全性についても、外部とは遮断された専用線を使用しており、信頼性は十分です。
2019年12月13日現在、金融界では勘定系システム(預金や為替を扱う基幹システム)をクラウドへ移行する動きが活発化しています。山口FGは、既存の基幹システムは維持しつつ、周辺の情報系システムを賢くクラウド化することで、コストを抑えながらも最大の付加価値を生み出そうとしています。攻めの姿勢を崩さないこの戦略が、将来の地域金融のスタンダードを塗り替えていく様子を、今後も見守っていきたいと思います。
コメント