2019年12月13日、静岡県庁においてリニア中央新幹線のトンネル工事が及ぼす大井川の環境影響について議論する「大井川水系流域における水資源確保等に関する有識者会議」との連絡会議が開催されました。この会議は、山梨・静岡・長野を貫く巨大プロジェクトが抱える、地元の命水への影響という極めてデリケートな課題に焦点を当てたものです。
今回の会議では、2019年11月に実施された国土交通省幹部による流域自治体への訪問結果や、難波喬司副知事らによる工事予定地の現地視察内容が共有されました。これまでJR東海と静岡県の間で行われてきた議論を、国がどのように客観的に評価するのか、その姿勢を改めて問う方針が確認されています。
SNS上では「地元の水死守を掲げる県の姿勢を支持する」という声がある一方で、「日本の未来のために早期着工を」と願う意見もあり、議論は真っ向から対立している状況です。特に、トンネル湧水の全量を川に戻すという約束が技術的にどう担保されるのか、多くの県民が固唾を飲んで見守っています。
難波副知事が示す「47項目の論点」と今後の展望
会議後の取材に対し、難波副知事は「引き続き対話を要する47項目」という具体的な課題リストを県から提示していることを明かしました。これは、水資源への影響や生態系保全など、地質学や水文学的な専門知見に基づいた詳細な論点であり、リニア着工に向けた極めて高いハードルとなっています。
今後の進展については、JR東海からの誠実な回答が得られるか、あるいは国土交通省からの評価書が提出された段階で、次なる協議の枠組みを検討する構えでしょう。現在はまさに、技術的な根拠を積み上げるための「対話の足踏み状態」が続いており、安易な妥協を許さない緊張感が漂っています。
編集部としては、リニアという国家規模の利便性と、流域住民の生活基盤である水資源の安全性を天秤にかけるのは酷なことだと感じます。しかし、一度失われた水源を元に戻すことは不可能です。科学的なエビデンスに基づき、双方が納得できる着地点を見出すまで、この粘り強い交渉は続けられるべきではないでしょうか。
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