2019年12月13日、名古屋地検岡崎支部は、同居していた義理の母親を殺害した疑いで、愛知県蒲郡市に住む無職の大塚文子被告(70歳)を殺人罪で起訴しました。この痛ましい事件は同年に入ってから発生し、警察による捜査が進められていたものです。被告自身も高齢者の域に達しているなか、家庭内という閉ざされた空間で一体何が起きたのか、社会に大きな衝撃を与えています。
検察側は起訴に先立ち、2019年8月頃から約4カ月半という長期間にわたって「鑑定留置」を実施してきました。これは、犯行時の被告の精神状態を専門家が詳しく調べ、善悪の判断がつく状態であったか、あるいは自分の行動を制御できたかを確認する手続きを指します。その結果、刑事責任を問うことが可能であるとの医学的な判断が下され、法廷での裁きを受けることとなりました。
SNSで渦巻く悲痛な声と「老老介護」が抱える闇
このニュースが報じられると、SNS上では「決して他人事ではない」といった悲痛なコメントが相次いでいます。特に70歳の女性がさらに高齢の義母を看るという構図は、現代日本が抱える「老老介護」の過酷な現実を浮き彫りにしました。ネット上では、介護疲れで精神的に追い詰められてしまったのではないかと推察する声や、周囲に助けを求められなかったのかという嘆きが溢れています。
私は、この事件を単なる個人の凶行として片付けるべきではないと考えます。加害者もまた、終わりの見えない生活のなかで、誰にも言えない苦悩を抱えていた可能性は否定できません。精神鑑定によって刑事責任ありと判断されましたが、法律の裁きとは別に、孤立する介護者を救う公的な支援体制が本当に機能していたのかを、私たちは改めて厳しく問い直すべき時期に来ているのではないでしょうか。
コメント