2019年12月03日、米中関係の緊張が世界経済や安全保障に影を落とす中、超大国の対立と日本の立ち位置を考えるシンポジウムが開催されました。兵庫県立大学と共催で行われたこのイベントでは、社会学者のエズラ・ボーゲル氏が登壇し、歴史的な洞察に基づいた貴重な提言を行っています。
ボーゲル氏は2010年頃、中国の近代化を牽引した鄧小平(とうしょうへい)氏の伝記を執筆していましたが、当時の日中関係は非常に冷え込んでいました。双方に多くの知人を持つ氏は、どうにかして関係改善に寄与したいという強い願いを抱き、日中の長い交流史を紐解く新たな著作を完成させたばかりです。
かつての日本は、6世紀末の遣隋使(けんずいし)を皮切りに、政治体系から文化に至るまで中国から多大な影響を受けてきました。この遣隋使とは、当時の先進国であった隋に派遣された外交使節であり、日本の国家形成における重要なターニングポイントとなった出来事です。
一方で、1894年(明治27年)に始まった日清戦争以降は、立場が逆転して中国が日本から近代的な制度や知識を吸収する時代が続きました。ボーゲル氏は、こうした深い相互学習の歴史が欧米諸国には十分に理解されていないことを指摘し、文化的な理解こそが対立を解く鍵になると訴えています。
SNS上では「歴史を学ぶ重要性を改めて感じた」「米中対立の中で日本が架け橋になれるのか期待したい」といった声が上がっており、感情的な対立を超えた冷静な視点が求められているようです。編集者である私の視点からも、目先の利益や摩擦に囚われず、数千年のスパンで隣国との関係を見つめ直すボーゲル氏の姿勢には深く共感します。
日本は歴史的に「学ぶ側」と「教える側」の両面を経験している稀有な存在であり、その経験こそが米中という巨大な二極の間でバランスを取るための最強の武器になるでしょう。過去の経緯を正しく発信し、相互理解の土壌を育む努力を怠ってはならないのです。
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