香川県が抱える深刻な社会課題に対し、地域通貨という新しいアプローチで挑む熱い取り組みが動き出しました。高松市のサイテックアイ株式会社は、独自の地域通貨「めぐりんポイント」を活用し、地域活動に励む市民を支援する画期的な仕組みを導入したのです。このプロジェクトは、企業や個人からの寄付を原資としてポイントを発行し、社会貢献の対価として県民に還元することを目的としています。
特筆すべきは、2019年12月04日に発表された第1弾の支援対象が「動物愛護」である点でしょう。香川県は残念ながら、2017年度の犬の殺処分数が1711匹にのぼり、5年連続で全国最多という不名誉な記録を抱えています。殺処分率も8年連続でワーストという厳しい現状を打破するため、行政と民間が手を取り合い、一匹でも多くの命を救うための「心のインセンティブ」としてポイントが活用されます。
「しっぽの森」から始まる、命を繋ぐ新しい支援の形
具体的な支援策として、さぬき動物愛護センター「しっぽの森」で保護犬や保護猫を家族に迎えた方々へ、1000ポイントが提供されます。地域通貨とは、特定の地域内でのみ利用可能な通貨のことで、法定通貨とは異なり「地域内での経済循環」を促す特徴があります。今回の施策は、単なる金銭的援助ではなく、命を救うという尊い決断をした飼い主さんに対し、地域全体で感謝の意を表す温かなメッセージと言えるでしょう。
SNS上では「ポイント目的で命を預かる人はいないだろうけれど、こうした姿勢が広まるのは嬉しい」といった、共感と期待の声が広がっています。サイテックアイの担当者も、ポイントが直接の動機になるとは考えていません。しかし、この仕組みがきっかけとなり、譲渡活動が一歩でも前進することを切に願っています。地域通貨が、人々の善意を可視化し、社会をより良くする潤滑油としての役割を果たす姿は非常に近未来的です。
寄付が地域を潤す!「マイ基金」を活用した透明性の高い仕組み
この支援の裏側には、イオン傘下のフェリカポケットマーケティングが運営する「地域通貨基金」の存在があります。これは公益財団法人の「マイ基金」という制度を利用しており、誰もが簡単な手続きで寄付を行える透明性の高いプラットフォームです。集まった善意はサイテックアイを通じて「めぐりんポイント」へと姿を変え、加盟店での買い物に使える仕組みとなっています。まさに、社会貢献が地域経済の活性化に直結する構造です。
現在、県内には約550カ所の加盟店があり、1ポイント1円として飲食店などで利用可能です。私は、この試みが単なるチャリティに留まらず、地元の店舗を支える「地産地消」のサイクルを生んでいる点を高く評価します。困っている誰かを助けることが、結果として近所の商店街を元気にすることに繋がる。そんな「一石二鳥」の優しさが、香川の未来を明るく照らしていくに違いありません。
子育てからフードバンクまで!広がる地域通貨の可能性
サイテックアイのビジョンは動物愛護だけに留まりません。今後は子育て支援やスポーツ振興、さらには余った食品を有効活用する「フードバンク」活動への応用も検討されています。フードバンクとは、品質に問題はないものの廃棄される食品を回収し、支援を必要とする世帯に届ける活動です。こうした多様な福祉活動に地域通貨が紐付くことで、支援の輪はさらに強固なものへと進化していくでしょう。
2019年10月には小豆島町商工会とも連携し、離島エリアでも利用シーンが急拡大しています。累計発行枚数16万枚を誇る「めぐりんポイント」は、今や香川県民の生活に欠かせないインフラになりつつあります。デジタルなポイントを通じて、リアルな人の温もりや地域の絆を再構築するこの挑戦が、全国の地方自治体が抱える課題解決のモデルケースとなることを期待して止みません。
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