引退馬に輝く第二の馬生を!ヴェルサイユファームが挑む「愛のクラウドファンディング」と新たな牧場文化

北海道日高町にある競走馬生産の拠点「ヴェルサイユファーム」が、現役を引退したサラブレッドたちの未来を守るために立ち上がりました。不特定多数の方々から支援を募るクラウドファンディング(CF)を活用し、飼育環境の劇的な改善を目指しています。この取り組みには、SNS上でも「功労馬たちが穏やかに過ごせる場所を応援したい」といった温かい共感の声が次々と寄せられており、大きな話題を呼んでいるのです。

岩崎崇文代表は、引退した馬たちが安心して余生を全うできる環境作りを切望されています。現在、牧場では殿堂入りを果たした名馬タイキシャトルや、ジャパンカップを制したローズキングダムなど、かつて競馬場を沸かせたスターホース約20頭を大切に管理しているのです。2019年には引退馬を専門にケアする「ヴェルサイユリゾートファーム」を設立し、これまでの生産牧場の枠を超えた活動を本格化させています。

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現役引退後の厳しい現実と牧場の覚悟

華やかな競馬の世界ですが、引退後の馬たちの生活は決して平坦なものではありません。種牡馬や繁殖牝馬として活躍できる一部の有名馬を除けば、収益を生む手段を失った馬たちの飼育コストは、その多くが牧場の負担となってしまうのです。一頭を育てるための費用は膨大であり、JRAなどからの助成金だけでは賄いきれないのが実情でしょう。こうした課題を解決するため、2019年4月から6月にかけて実施されたCFでは、1380万円もの支援が集まりました。

この資金は老朽化した厩舎の解体や、2020年2月に完成を見込んでいる新施設の建設費用に充てられる予定です。しかし、2019年9月中旬、ファンを悲しませる衝撃的な事件が起きました。牧場の公開時間中に、何者かによって愛すべき元競走馬たちの「たてがみ」が切り取られるという卑劣な行為が発生したのです。たてがみは馬にとって自身の威厳や身を守る大切な一部であり、心ない悪戯は断じて許されるものではありません。

防犯強化と観光振興への熱い想い

再発防止を徹底するため、牧場では防犯カメラの設置や頑丈な柵の新設を計画しています。この対策費として必要な約370万円を確保するため、2019年11月末を期限とした新たなCFがスタートしました。目標額は250万円となっており、支援者への返礼品には馬たちの日常を切り取ったカレンダーやスマホ用壁紙などが用意されています。ファンが直接支援に関わることで、馬たちとの絆をより深く感じられる仕組みと言えるでしょう。

また、2019年6月からは継続的な支援を目的とした会員制組織も発足しました。月額制のコースによって、会員限定の牧場見学や宿泊施設の割引特典が受けられるなど、サポーターが馬と触れ合える機会も提供されています。こうした試みは、馬を単なる「経済動物」としてではなく、共に生きる「パートナー」として捉える新しい価値観の提示ではないでしょうか。11月上旬時点で146名の会員が、この尊い挑戦を支えています。

国内屈指の馬産地である日高町から発信されるこの活動は、単なる保護活動に留まりません。岩崎代表が語るように、引退馬と気軽に触れ合える場を提供することは、地域の観光振興にも大きく寄与することでしょう。私自身、競馬という感動を与えてくれた馬たちが、泥だらけになって草を食む平和な姿こそが、競馬文化の真の成熟を意味すると信じています。皆さんの支援が、一頭でも多くの馬に穏やかな明日を届ける力になるはずです。

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