噴火湾ホタテ大量死の謎を解明!冷夏と「やませ」が招く深刻なストレスの正体とは?

北海道が誇る海の幸、ホタテ。その一大産地である噴火湾(内浦湾)で、ここ数年養殖ホタテが大量に死んでしまうという深刻な事態が続いています。2019年11月13日、北海道立総合研究機構・函館水産試験場は、このミステリアスな現象の裏側に「夏の低温」と「餌不足」が深く関わっているという衝撃の調査結果を公表しました。

2018年度の水揚げ量は約1万8千トンと、過去30年で最低水準だった2016年度に並ぶ歴史的な不漁を記録しています。この事態に対し、SNS上では「北海道のホタテが食べられなくなるのは悲しい」「漁師さんの生活が心配」といった、産地を応援する声や将来を不安視する投稿が数多く寄せられ、食卓への影響を懸念する動きが広がっています。

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冷たい風「やませ」が海をかき乱すメカニズム

なぜ、夏に涼しいことがホタテの命を奪うのでしょうか。調査によると、大量死が発生した年は共通して「冷夏」の傾向にありました。特に注目すべきは、太平洋側から吹き付ける冷たく湿った東風、通称「やませ」の影響です。この風が海面近くの水を冷やし、本来なら温かいはずの表層と深い場所との温度差をなくしてしまうことが分かりました。

専門用語で言う「成層(せいそう)」、つまり水温の違いによる水の層が崩れると、波や風の振動が深いところまでダイレクトに伝わってしまいます。これにより、養殖かごの中でホタテが激しく揺さぶられ、多大なストレスを感じて衰弱していくのです。人間でいえば、休まる暇もなく激しい揺れにさらされ続けるような過酷な状況といえるでしょう。

さらに、この水温変化はホタテの食事事情にも悪影響を及ぼします。海水の混ざり方が変わることで、彼らの主食である植物プランクトンのバランスが崩れてしまうのです。食べやすい餌が減り、栄養不足に陥ったホタテたちは、成長が遅れたまま体力を消耗し、秋から冬にかけて力尽きてしまうという悲しい連鎖が浮き彫りになりました。

知恵とデータで守る、北海道ブランドの未来

函館水産試験場は、過去25年間の膨大なデータを分析し、大量死が7年から9年の周期で発生していることを突き止めました。この知見を活かし、不漁の年でも被害が少なかった漁業者の工夫をモデル化した「養殖管理のポイント」を策定しています。かごに入れるホタテの数を調整するなど、具体的な対策を現場へ届ける取り組みが2019年11月現在、急ピッチで進んでいます。

私個人としては、自然を相手にする養殖業の難しさを痛感するとともに、科学的なアプローチでその「謎」に挑む研究者や漁業者の皆さんの努力に深く敬意を表します。単なる偶然ではなく、海の変化を予兆として捉えることができれば、世界に誇る北海道産ホタテのブランドを次世代へつないでいく大きな一歩になるはずです。一刻も早い完全な解明が待たれます。

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