現在、私たちの生活に欠かせないネットショッピングは、ウェブサイトや専用アプリで商品を探すスタイルが一般的です。しかし2019年12月06日、流通業界には新たな地殻変動が起きています。それは、ブラウザでの検索から「音声」や「SMS(ショートメッセージサービス)」による注文への移行です。
世界最大の小売業者ウォルマートは、約9000人ものIT専門職を抱えながら、さらに音声コンピューティング分野の採用を強化しています。端末に一言ささやくだけで人工知能が好みを察知し、注文が完了する未来は、もうすぐそこまで来ているのでしょう。
SMSがショッピングの主役に?驚異のブランド「ダーティレモン」
文字入力、つまりSMSを活用した買い物で大きな飛躍を遂げたのが、飲料D2Cメーカーのアイリスノヴァ社が展開する「ダーティレモン」です。D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、自社で企画・製造した商品を、仲介業者を通さず消費者に直接販売するビジネスモデルを指します。
このブランドは、シャンプー用を転用したという斬新なボトルデザインを武器に、インスタグラムのみに販促予算を集中投下しました。派手な外観がSNS映えすることで爆発的な拡散を呼び、流行に敏感な若年層の心を見事に射止めることに成功したのです。
驚くべきは、その購入プロセスにあります。初回登録こそウェブで行うものの、その後の配達確認や再注文といった顧客とのやり取りは、すべてSMSに集約されています。SNS上では「チャット感覚で買い物が完結するのが楽すぎる」と、利便性の高さに驚く声が絶えません。
常識を覆す「自己申告制」の無人店舗と投資界の視線
ニューヨークにある彼らの無人店舗は、最新鋭のセンサーやカメラで監視するハイテク型ではありません。なんと、商品を手に取ったら顧客が自らSMSで報告するという、驚きの「善意」に基づいたシステムを採用し、メディアの注目を集めています。
こうした革新性は、巨大資本からも高く評価されています。2018年12月には米コカ・コーラを含むグループから約1500万ドルの資金を調達しました。大手メーカーが裏方に徹して新興ブランドを支える構図は、彼らの実力が本物である何よりの証拠と言えるでしょう。
「検索してカートに入れる」という手間を省き、日常の連絡手段であるSMSを唯一の接点にする手法は、非常に鮮烈な体験です。既存の枠組みを壊すこのスタイルは、単なる一過性の流行ではなく、今後のネット通販のスタンダードになる可能性を秘めています。
コメント