介護スナックが日本を救う?「竜宮城」が提案する高齢者の新しい遊び場と安心の接客術

お酒を心ゆくまで楽しみたいけれど、足腰の不安や飲み過ぎが心配で外出を控えてしまう。そんなシニア世代の切実な願いを叶える「介護スナック」が、今大きな注目を集めています。横浜市に拠点を置く「あたた」は、2019年12月06日現在、この画期的なサービスをフランチャイズ展開し、全国200カ所への拡大を目指しています。

神奈川県横須賀市で運営されている「竜宮城」は、原則65歳以上や身障者を対象とした専門のスナックです。最大の特徴は、一般的な「ママ」や「マスター」がおらず、介護士などの専門資格を持つスタッフが接客を担う点にあります。SNSでは「これなら親を安心して連れて行ける」「プロがそばにいてくれる安心感は格別」と、ポジティブな反響が広がっています。

店内は完全なバリアフリー設計となっており、車椅子のままスムーズに移動できるのはもちろん、随所に手すりが設置されています。さらに、お食事の際にはスタッフが食材を適切な大きさにカットし、誤嚥(ごえん:食べ物が誤って気管に入ること)を防ぐ配慮も徹底されています。こうした専門的なケアは、福祉の現場を知り尽くした企業ならではの強みと言えるでしょう。

料金体系は2時間の飲み放題・食べ放題で8000円となっており、介護車両による送迎サービスまで含まれているのが驚きです。アルコール摂取量の管理もスタッフが行ってくれるため、ご家族としても「羽目を外しすぎて体調を崩さないか」という心配をせずに済むはずです。現在は特別養護老人ホームからの団体予約で埋まるほど、圧倒的な支持を得ています。

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全国200拠点を掲げるフランチャイズの可能性

「あたた」の佐々木貴也社長は、2014年にこの事業を立ち上げました。きっかけは、デイサービスなどを利用する高齢者からの「外食に行きたい」という純粋な声だったそうです。2019年9月からは本格的にフランチャイズ加盟店の募集を開始しており、すでに東京や大阪など4カ所から応募が届くなど、ビジネスモデルとしての将来性も高く評価されています。

このモデルの魅力は、既存のスナックを改装して活用できる点にあります。特に温泉地などの観光施設にあるスナックを「介護スナック」に転換すれば、家族旅行中に高齢の祖父母を一時的に預け、夜の時間を安心して過ごしてもらうといった新しい需要も見込めます。高齢者施設が近隣にあるエリアは、まさにこの事業のポテンシャルを秘めた宝庫なのです。

私自身の見解としても、こうした「攻めの介護」は今後不可欠になると確信しています。単に安全に過ごすだけでなく、社交の場で笑い、お酒を嗜むという「心の栄養」は、健康寿命を延ばす大きな鍵となるでしょう。25席前後の小規模な店舗で4名の専門スタッフが常駐する手厚い体制は、これからの高齢化社会における新しい外食のスタンダードになるはずです。

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