米中新冷戦と資本主義の限界——ジャーナリスト岡部直明が描く「分断の時代」の処方箋

2019年12月07日、私たちはかつてない激動の時代の真っ只中に立たされています。ベテランジャーナリストの岡部直明氏が著した『分断の時代』は、混沌とする世界情勢を鋭い視点で切り取った一冊です。米中による「新冷戦」の激化や、イギリスの欧州連合(EU)離脱、そして資本主義そのものが直面している深刻な機能不全など、現代社会が抱える病理を辛口に分析しています。

SNS上では「今の国際情勢を理解するのに欠かせない視点だ」といった称賛の声が上がっている一方で、「これからの日本はどう生き残るべきか考えさせられる」という不安混じりの反響も目立ちます。本書の魅力は、単なる現状分析に留まらず、読者の危機感を揺さぶる力強い言葉にあるのでしょう。ジャーナリストとして50年という長い歳月を米欧の地で過ごしてきた著者の経験が、行間から溢れ出しているようです。

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失われた大国の品格と変貌する国際秩序

かつてのアメリカ社会が誇っていた、多様性を受け入れる「懐の深さ」は、トランプ政権が掲げる「米国第一主義」によって急速に失われつつあります。自国の利益のみを優先する排他的な姿勢は、国際社会の協調を乱す大きな要因となりました。一方で、巨大経済圏構想である「一帯一路」を推進する中国の動きについても、著者はその「傲慢さ」に強い警鐘を鳴らしています。

一帯一路とは、古代のシルクロードになぞらえて、中国と欧州・アフリカを結ぶ広大な経済ネットワークを構築しようとする国家戦略のことです。かつての中国要人が備えていた謙虚さは影を潜め、覇権主義的な振る舞いが目立つようになった現状に、著者は深い懸念を抱いているのでしょう。長年、世界の変化を最前線で見つめ続けてきたプロの眼識は、非常に重みを持って私たちに響きます。

私は、この「分断」というキーワードこそが、今の日本人が最も直視すべき現実であると確信しています。経済成長が頭打ちになり、資本主義が限界を見せている中で、私たちは安易なナショナリズムに逃げるべきではありません。過去の成功体験に固執せず、変化する世界の中で日本がどのような役割を果たすべきか、今こそ一人ひとりが真剣に思考を巡らせる時が来ているのではないでしょうか。

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