2019年12月17日、岡山県は日米貿易協定の発効がもたらす地元の農林水産物への影響について、衝撃的な試算結果を明らかにしました。県が公表したデータによると、生産額は最小で5億5700万円、最大では11億円もの減少が見込まれています。この数字は、関税率が10%を超え、かつ国内生産額が10億円を上回る主要な33品目を対象とした国の指標をベースに導き出されました。
今回の試算で特に深刻な影響が懸念されているのは、牛肉や鶏卵、豚肉、鶏肉、さらに牛乳・乳製品、小麦、大麦といった私たちの食卓に欠かせない7つの品目です。日米貿易協定とは、日本とアメリカの間で農産物や工業品の関税(輸入品にかける税金)を下げ、貿易をより活発にするための約束事です。消費者にとっては安価な輸入食品が増えるメリットがある反面、地元の生産者にとっては厳しい競争を強いられることになります。
SNS上では「地元の美味しいお肉や牛乳が守られるのか不安だ」という声や、「価格が安くなるのは助かるけれど、農家の経営が心配」といった、期待と不安が入り混じった意見が数多く飛び交っています。高品質なブランドを誇る岡山の農業が、この荒波をどう乗り越えていくのかに注目が集まっています。編集部としては、単なる価格競争に巻き込まれるのではなく、岡山の食が持つ「安全・安心」という付加価値を再認識する機会にすべきだと考えます。
TPPとの複合的な影響と岡山農業の未来図
さらに岡山県は、11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)の影響を合算した、より広範な試算も2019年12月17日に併せて公表しました。これによると、前述の7品目に合板などが加わった計8品目において、生産額の減少幅は9億7900万円から18億2100万円にまで膨らむ見通しです。TPPは環太平洋地域の国々で経済の壁をなくす枠組みですが、日米協定と重なることで、その影響はより鮮明に農家を直撃するでしょう。
こうした試算はあくまで予測に過ぎませんが、現場の農家の方々が抱く危機感は計り知れません。私たちは安さだけを求めるのではなく、地域経済を支える一次産業の重要性を今一度考える必要があります。県には、生産コストの削減支援や高付加価値化に向けた戦略的なバックアップを強く期待したいところです。岡山の豊かな恵みを次世代へ繋ぐため、行政と消費者が一体となって地産地消を推進する姿勢が、今まさに求められているのではないでしょうか。
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