2019年12月06日の国内債券市場において、投資家たちが固唾を呑んで見守る中、大きな動きが見られました。長期金利の指標として知られる「新発10年物国債利回り」が上昇し、取引の終値がマイナス0.015%を記録したのです。これは同年04月中旬以来、約8ヶ月ぶりとなる高い水準であり、マイナス金利からの脱却を予感させる重要な局面を迎えています。
利回りが「上昇」するということは、逆に「国債の価格が下落した」ことを意味します。債券は満期時の受け取り額が決まっているため、人気がなくなって売られる(価格が下落する)と、相対的に利回りが高くなる仕組みです。専門用語で「債券安・金利高」と呼ばれるこの現象は、市場の資金が安定資産である国債から、よりリスクのある資産へ移り始めたサインと言えるでしょう。
米中貿易摩擦の緩和が引き金に?世界が注目する経済の行方
今回の変動の大きな要因は、海の向こう側にあります。2019年12月05日の米国市場において、米中貿易協議に対する過度な警戒感が和らいだことで、安全資産とされる米国債が売られました。世界経済の先行きに対する不安が「リスクオン(投資に積極的な状態)」へと変化し、その流れが翌日の日本市場にも波及した格好です。グローバルな経済の繋がりがいかに強固であるかを再認識させられます。
SNS上では、この金利上昇に対して「ようやく金利が戻ってくるのか」「住宅ローンの固定金利に影響が出るのでは?」といった、生活に密着した不安や期待が入り混じった声が多く上がっています。特に資産運用層からは、長らく続いた超低金利時代の転換点になるのかという点に熱い視線が注がれており、マーケットの地合いが変化しつつあることは間違いありません。
編集者の視点から言えば、この金利上昇は日本経済にとって「正常化」への第一歩だと捉えることができます。もちろん債券価格の下落は保有者にとって痛手ですが、金利が適正に付くことは金融機関の収益改善や、預金者への恩恵にも繋がります。米中関係という不透明な要素に左右される状況ではありますが、2019年末にかけての市場は非常にエキサイティングな展開を見せてくれるでしょう。
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