中国GDP倍増計画の裏側?外資直接投資「統計水増し疑惑」と歪められた為替レートの正体

中国経済が大きな転換点を迎えています。習近平政権が掲げる「2020年までにGDP(国内総生産)を2010年比で倍増させる」という壮大な目標。この達成に向けて、実は統計データに不自然な動きがあることが浮き彫りとなりました。特に注目すべきは、中国商務省が発表する「外資直接投資」のデータです。これは海外企業が中国国内の工場建設や事業拡大に投じた資金を示す重要な指標ですが、その算出方法に「演出」の疑いがかかっています。

2019年12月10日時点の調査によれば、商務省が発表するドル建ての投資額が、市場の実勢レートとはかけ離れた「元高」設定で計算されている実態が見えてきました。本来、中国への投資実態を正確に把握するには、市場で実際に取引されている為替レートを用いるのが筋です。しかし、驚くべきことに一部のデータでは市場レートより最大12%も元高に設定されており、これによりドル建ての投資額が実力以上に「水増し」されている可能性が高いのです。

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政治的メンツが優先?「6つの安定」に隠された思惑

なぜ、これほどまでに不自然な計算が行われているのでしょうか。背景には2018年7月から激化した米中貿易戦争の影響があると考えられます。米国による追加関税の応酬が始まると、中国共産党中央政治局は「6つの安定」という基本方針を打ち出しました。これは雇用や金融、そして「外資」の安定を死守するという政治公約です。政治目標が絶対視される中国において、外資の撤退や投資減少を露呈させることは、担当部門にとって許されない事態なのです。

SNS上でもこのニュースに対し、「中国の統計はもはやファンタジー」「実態が見えない市場に投資するのはリスクが高すぎる」といった厳しい声が相次いでいます。投資家にとって、政府が発表する統計は羅針盤のようなものです。その数字が政治的な都合で操作されているとなれば、グローバルな信頼を失うのは避けられません。経済運営において「メンツ」を優先し、数字を粉飾する姿勢は、長期的には自国の首を絞める結果になるのではないでしょうか。

不自然な安定感と今後の統計改革

統計を精査すると、2014年1月以降の約70カ月のうち、8割にのぼる期間で市場実勢とは逆方向のレート操作が行われていた形跡があります。特に元安が進んだ局面で、ドル建ての投資額が目減りしないよう「元高」に設定する手法が常態化していました。本来、投資統計は月ごとの変動が激しいものですが、2018年8月から2019年10月にかけては、ドル建て投資額が前年割れを起こしたのはわずか1回のみという、驚異的な「安定」を見せています。

しかし、こうした状況を習近平国家主席も看過しているわけではありません。2019年10月からは、統計の信頼性回復に向けた初の大規模な査察が開始されました。中央省庁も対象となるこのメスが、どこまで真実に迫れるかが焦点です。私個人の意見としては、中国が真の経済大国として歩むならば、不都合な真実を隠す「演出」を卒業し、透明性の高い情報公開を行うべきだと強く感じます。嘘で塗り固めた成長は、いつか必ず綻びを見せるからです。

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