鹿児島のシンボルとして知られる桜島で、火山の未来を大きく変える画期的な発見がもたらされました。東京大学の田中宏幸教授らの研究チームは、目には見えない素粒子を利用して火山の内部を「透視」し、噴火が終息へと向かう驚きのメカニズムを世界で初めて捉えることに成功したのです。
今回の調査で鍵となったのは、宇宙から降り注ぐ「ミュオン」と呼ばれる素粒子です。ミュオンは巨大な岩盤をも通り抜ける性質を持っていますが、密度の高い場所では遮られやすいという特徴があります。この性質を応用した「ミュオグラフィ」という技術は、いわば火山のレントゲン写真。これにより、私たちは火口の深部で何が起きているのかを手に取るように知ることができるようになりました。
SNS上では「火山の終わりがわかるなんて魔法のよう」「地元の観光業にとって希望の光だ」といった驚きと期待の声が広がっています。これまで噴火の始まりを予知する研究は盛んでしたが、いつ終わるのかを科学的に証明する手法は確立されていませんでした。今回の発見は、まさに火山大国である日本にとって、安全と経済を両立させる大きな一歩と言えるでしょう。
昭和火口を塞いだ「密度の壁」の正体とは
観測チームは、2009年から2017年まで非常に活発な噴火活動を続けていた桜島の昭和火口に注目しました。2017年を境にこの火口からの噴火が途絶えた時期、ミュオンによる透視画像には劇的な変化が現れたのです。火口直下のマグマの通り道に、周囲よりも明らかに密度の高い岩石の塊が形成されている様子がくっきりと浮かび上がりました。
この現象は、マグマが冷えて固まることで火口に頑丈な「蓋」がされた状態を意味しています。研究チームが過去の薩摩硫黄島での観測データを再検証したところ、同様の岩石形成が確認されました。つまり、マグマが自ら通り道を塞ぐプロセスこそが、噴火終了の普遍的なサインである可能性が極めて高いということでしょう。
2019年12月23日現在、桜島では昭和火口に代わって南岳火口が活動の主体となっています。興味深いことに、一方の火口が活動している間は、もう一方は静まり返るという傾向が見られます。今回の発見により、地下の「配管」が詰まる様子をリアルタイムで監視できれば、火口の主役交代や活動停止をより正確に予測できるはずです。
私は、この技術が単なる学術的な成果に留まらず、防災計画のあり方を根底から変えると確信しています。噴火が「いつ終わるか」が明確になれば、避難指示の解除や観光施設の再開を迅速に判断でき、地域経済へのダメージを最小限に抑えられます。科学の光が、火山の脅威を安心へと変える日は、もうすぐそこまで来ているようです。
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