2003年に中国初の有人宇宙飛行船「神舟5号」で大空を駆け抜け、国民的英雄となった楊利偉氏が2019年12月23日までに初来日を果たしました。現在、中国有人宇宙飛行プロジェクトの副チーフデザイナーという重責を担う同氏は、東京都内での取材に対し、今後の宇宙開発における国際協力の可能性について極めて意欲的なビジョンを語ってくれました。
中国は現在、2022年ごろの完成を目指して独自の宇宙ステーション建設を急ピッチで進めています。これは地球の周回軌道上に浮かぶ巨大な有人研究施設のことで、いわば「宇宙に浮かぶ実験室」です。楊氏は、日本の宇宙飛行士が中国のロケットに搭乗し、このステーションに滞在する未来について、双方に利益があるという大原則のもとで十分に実現可能であるとの見解を示しました。
SNS上では、このニュースに対して「アジア勢が協力して宇宙を目指すのはワクワクする」「技術の壁を超えてほしい」といった期待の声が数多く寄せられています。もちろん、政治的な課題を懸念する意見も散見されますが、宇宙という未知の領域に挑むフロンティア精神が、多くの人々の想像力を刺激しているのは間違いありません。一歩ずつ、理想が現実へと近づいているようです。
国際協力は必然!1プラス1を2以上にする技術の結集
楊氏は、宇宙開発における国際的な連携を「技術面や経済面から見ても避けては通れない必然の流れである」と力説しています。広大な宇宙を舞台にするプロジェクトは、一国で背負うにはあまりに巨大で困難なものです。各国の得意分野を持ち寄ることで、単なる足し算を超えたシナジー効果、つまり「1プラス1が2以上になる成果」を生み出せると、同氏は確信に満ちた表情で語りました。
中国は2019年1月、世界で初めて無人探査機「嫦娥4号」を月の裏側に着陸させるという歴史的快挙を成し遂げました。今後は月の岩石を持ち帰る「サンプルリターン」や、有人月面着陸という壮大な目標を掲げています。一方で、米国も2024年までの有人月面着陸を目指す「アルテミス計画」を推進しており、日本もこの計画への参加を表明するなど、月を巡る開発競争はかつてないほど激化しています。
こうした状況下で、日本が米国との連携を深めつつ、中国とも手を取り合えるのかという点に注目が集まっています。楊氏は「各国にはそれぞれの事情がある」と理解を示した上で、軍事転用の恐れがない科学実験といった「敏感ではない分野」であれば、日本との協力関係は十分に構築できるという柔軟なスタンスを強調しました。科学の探究心に国境はない、という彼の信念が伝わってきます。
米中間の直接的な協力については、現在の厳しい法規制を背景に「すぐには難しい」と認めつつも、決して諦めてはいません。「国際環境が変われば、協力の扉は必ず開く」と予見する同氏の言葉には、宇宙飛行士として地球を外から眺めた者だけが持つ、広い視野と包容力が感じられます。いつか全ての国が手を取り合う日が来ることを、私たちも願わずにはいられません。
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