ソフトバンクGが出資したカナダの「リチウム新星」が経営破綻。EV市場の供給過剰と次世代戦略の行方

投資の世界に衝撃が走りました。ソフトバンクグループが意欲的に出資を行っていたカナダのリチウム採掘大手、ネマスカ・リチウムが2019年12月23日、ケベック州高等裁判所へ企業債権者調整法(CCAA)の適用を申請したことが明らかになりました。この法律は、日本でいうところの「会社更生法」に近い性質を持っており、経営に行き詰まった企業が裁判所の保護を受けながら再建を目指すための手続きです。

今回の事態を受け、SNS上では「百戦錬磨のソフトバンクでも鉱山投資は難しかったのか」「リチウム価格の下落がここまで深刻だとは」といった驚きの声が広がっています。ハイテク分野で連勝を重ねてきた同社が、実体経済の波に揉まれる資源投資で苦境に立たされたことは、多くの投資家にとって意外な展開だったようです。同時に、リチウム相場の先行きを不安視する投稿も目立ち、業界全体に緊張感が漂っています。

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戦略の要だった「白い黄金」への投資と市場の誤算

ソフトバンクグループは2018年4月、約80億円という巨額の資金を投じて、ネマスカ社の発行済み株式を最大9.9%取得すると発表していました。これは同社にとって記念すべき初の鉱山投資案件であり、孫正義会長も「グループの戦略を推進する上で極めて重要な一石である」と、その意義を強調していたのです。単なる出資に留まらず、生産量の2割を優先的に確保できる権利を得るなど、非常に戦略的な布陣を敷いていました。

同社が狙っていたのは、二次電池の主原料となるリチウムです。二次電池とは、スマートフォンや電気自動車(EV)に使われる、充電して繰り返し使えるバッテリーを指します。しかし、世界的なEVシフトを見込んだ増産ラッシュが裏目に出て、2018年以降は供給過剰の状態に陥りました。これによりリチウム価格は低迷し、2019年に入ってからネマスカ社の資金繰りは急速に悪化して、新規開発プロジェクトも停滞を余儀なくされたのです。

私は、今回の破綻はソフトバンクグループにとって単なる金銭的損失以上の意味を持つと考えています。同社が進める太陽光発電事業において、エネルギーを貯める蓄電池の安定確保は不可欠なピースでした。戦略の練り直しを迫られることは間違いありませんが、こうした失敗を糧に次なる一手へ繋げるのが孫氏の真骨頂でもあります。現在は厳しい状況ですが、債権者保護のもとで事業再建がどう進むのか、その動向を注視すべきでしょう。

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