スマートフォンから工場の自動化まで、現代社会に欠かせない「電子の目」を巡る戦いが、かつてないほど激化しています。現在、画像センサー市場で圧倒的な世界シェア5割を誇るのがソニーですが、2019年12月24日、その絶対王者を追い落とそうとするライバルたちの動きが鮮明になってきました。
画像センサーの主流である「CMOS(相補性金属酸化膜半導体)」は、光を電気信号に変換して映像を作る半導体の一種です。この市場は2018年の131億ドルから、2023年には243億ドルへと急拡大すると予測されており、まさに次世代ビジネスの主戦場といえるでしょう。
スマホ市場で猛追するサムスンと中国勢の野望
シェア2位の韓国サムスン電子は、ソニーが得意とするスマホ分野で真っ向勝負を挑んでいます。同社はソニーを超える1億800万画素という驚異の高精細センサーを投入し、勢いに乗る中国のシャオミなどの高級機種に採用を決めました。
SNSでは「ついに1億画素超えか」「スマホのカメラが一眼レフを超える日が近い」と驚きの声が上がっています。サムスンは、成長著しい中国やインド市場を足がかりに、数で勝る中国メーカーへ深く食い込む戦略で、ソニーのシェアを確実に削り取ろうとしているのです。
自動運転とスマート工場が変える「産業向け」の未来
スマホの先にある巨大市場として注目されるのが、産業・車載分野です。車載向けで6割のシェアを持つ米オン・セミコンダクターは、AIで果物の鮮度を瞬時に判別する技術を披露しました。これは工場での不良品検査など、ビッグデータを活用した生産革命の鍵となります。
また、自動運転が普及すれば、1台の車に10個前後のセンサーが搭載されるといわれています。2020年からは世界最小級のセンサー量産を目指すオーストリアのamsなども参戦し、医療ロボットや内視鏡の小型化といった、命を救う最先端現場での活用も期待されています。
ソニーの逆襲とAI融合への挑戦
王者ソニーも黙ってはいません。2019年12月23日には大阪市に新たな開発拠点の設立を発表し、2020年4月の開業を目指して体制を強化しています。肉眼では見えない歪みを検知する特殊な波形技術など、高度な付加価値で差別化を図る方針です。
さらに2021年度には長崎県で新工場の稼働も控えており、2025年度までにシェアを6割に引き上げるという強気な目標を掲げています。スマホ販売が頭打ちとなる中、単なる部品供給から「AI×センサー」によるソリューション提供へ脱皮できるかが、勝負の分かれ目でしょう。
個人的な見解として、ソニーが今後もトップを走るためには、ハードの性能だけでなく、ソフトとの統合力が不可欠だと考えます。センサーが「見る」だけでなく「理解する」能力を持ったとき、私たちの生活は劇的に変わるはずです。この競争が、より便利な未来を加速させることを期待しましょう。
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